「ら」行の作家

2016年6月17日 (金)

パンプキン! 模擬原爆の夏

2443「パンプキン! 模擬原爆の夏」 令丈ヒロ子   講談社   ★★★

模擬原爆って何? 小学5年生のヒロカは、いとこのたくみから不思議な言葉を聞く。興味をもったヒロカは、戦争のことを調べ始めるが・・・。

児童書ですが、前から気になっていた本です。

模擬原爆は、通称パンプキン爆弾。原爆投下の練習のために、日本全国に落とされた爆弾のことです。当然、爆弾ですから、爆発します。これによって亡くなった方々もいます。

全然、知りませんでした。戦争についてはちょっとした知識をもっているつもりでしたが、「知っているつもり」がいかに浅はかか、痛感させられました。

短い話ですぐ読めるので、大人の方にも読んでほしいです。私たちが知らねばならないこと、まだまだいっぱいあるのでしょうね・・・。

2007年2月26日 (月)

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

1085「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」リリー・フランキー 扶桑社  ★★★★

 両親が別居したため、母親の手で育てられた「ボク」。高校入学と同時に家を出て、大学からは東京で暮らしていたが、そんな「ボク」のもとに母親がやってくる。思いもかけない東京での母子二人暮し。そして、永遠の別れが・・・。

 今さらですいませんって感じですが、読みました。
 泣ける泣けると言われると、逆に素直な気持ちで読めなくなるのですが。結論から言うと、大泣きしました。オカンの病気がいよいよ・・・というあたりから、もうダメでした。涙が止まらなくなりました。
 初めの方は、けっこうしんどかったです。まず、各章の冒頭の観念的な文章が苦手でした。心象風景みたいなもので、悪くないんだけど、ところどころアヤシイ言葉遣いが・・・。どうも、そういうのってすごく気になってしまうので。(編集者、気がつかないんでしょうか)
 そして、子供時代の話はおもしろいけど「ふ~ん」という感じ。なかなか話に乗れませんでした。
 スイッチが入ったのは、ボクが大人になって、オカンと東京で暮らし始めてから。つまり、後半部分。ここからは睡眠時間削って、一気に読んでしまいました。
 さて、私はなぜ泣いたのかというと。物語に感動したというよりも、リリーさんが感じたことと同じようなことを自分も感じていて、共鳴してしまった・・・という感じなのですね。親が死ぬということに対する不安とか、自分は親孝行してないときっと後悔するとか、近しい人を亡くした時の喪失感だとか。そういうものが、読みながらうわっとこみあげてしまって、ただもう泣けてしまったのでした。
 私も親には心配のかけ通し。決していい娘ではないのに、それでも親は見守り、受け入れてくれる。そのありがたさはじゅうぶん承知していながら、感謝の言葉一つ言えない私。読みながら、そういう自分と親の関係を重ねていました。
 それから、時々登場するオトンがいいですね。わけわかんないオヤジだけど(笑)なんだかんだ言って、三人で「家族」なんですよね。

イギー > 私も最初「電車の中で読まないほうがいいよ」と言われて半信半疑で読みましたが、やはり泣きましたね。私も後半で泣いたのですが、自分の母親とおこがましくもかぶって読んでしまったんです。18歳から母親とは離れて暮らしてる分、作者の思いとかオカンの思いとかが痛いほど伝わってきました。オトンも確かにちゃらんぽらんですが三人で家族ですね。 (2007/02/28 22:12)
まゆ > イギーさん、私も18歳で家を出ているので、親との関係、特に母との関係は、読んでいていろいろ考えさせられる部分がありました。リリーさんが自分の気持ちを、ものすごくストレートに書いているから、読む側もそうなっちゃうんでしょうね。 (2007/03/01 20:58)
たま > 私も泣いてしまいました・・・
はじめは話題の本だったので、逆にずっと読まないでいたのですが(ひねくれているので)、あまりにも話題になっているので、どうも気になって恐る恐るというか、あまり期待せずに読み始めたのですが・・・。
後半、一気に泣けてきますね。私は少し前に亡くした祖母とだぶらせてしまいました。思いがひしひしと伝わってきました。 (2007/03/02 00:25)
ほっそ > こんにちは。皆さんいろいろな立場で、この本を読むはずですよね。私は自分がオカンですから、この本のオカンがうらやましい気持でいっぱいでした。子供からこれほど思ってもらえるのなら、何も言うことはありません。さて我が家は・・・・?! (2007/03/02 09:58)
まゆ > たまさん、私も手に取らずにいるうちに話題になり、映像化され、あらら・・・という感じだったのですが。私が一番だぶらせたのは、実は、数年前にみとった愛猫のことでした。命が消える瞬間を見たのは、あれが初めてだったので・・・。 (2007/03/03 20:18)
まゆ > ほっそさん、お子さんも思ってますって、きっと。ただ、母の愛はあるのが当たり前と思ってるのが子供で、その偉大さに気づくのは、ある程度大人になってからなんですよねえ。 (2007/03/03 20:19)

2005年6月11日 (土)

捨て童子・松平忠輝③

807「捨て童子・松平忠輝③」隆慶一郎   講談社   ★★★

 とうとう大坂の陣が始まった。少年の日に、秀頼と不戦の誓いをした忠輝は思い悩む。秀頼の最期を看取った忠輝には、兄秀忠の謀略が。家康は一計を案じ、忠輝を勘当する。

 全三巻、読了です。
 徳川家の「鬼っ子」忠輝は、その純粋無垢な心ゆえに戦を嫌い、権力を厭い、ただ人の世を愛して生きることのみを望む青年として描かれます(後世伝わる忠輝像とは全く違うのです)。その有り様は、人としてまさに理想の境地。利己主義の塊で冷酷残忍な秀忠はもちろん、天下の「いくさ人」として世に名高い家康ですら、そんなふうには生きられません。だからこそ、忠輝は愛されも憎まれもするわけですが。
 個人的には、江戸の初期にはあまり興味がないのですが、まだ政権が安定していない時代、戦国の論理が時折ひょっこり顔を出す奇妙な時代という、「時代の風」を感じて、なかなかおもしろかったです。堅苦しい物語ではなく、エンタテイメントとしてじゅうぶん楽しめます。
 大名としての地位を失い、結果あらゆるくびきから解き放たれた忠輝は、その後六十年を生き、九十六歳の高齢で亡くなったといいます。作者には「その後」の忠輝を描く構想もあったようで、それが果たされることなく急逝されたのは、本当に残念でなりません。

peep >  まゆさんこんにちは。全三巻読み終えられたのですね~、まゆさんの感想を読むと、随分一般の忠輝像と違って書かれているんだな~、という印象でした。
戦国末期~江戸初期はまだ大名も個性が強いというか、考え方とかも独自なので私はとても好きな時代です。
 そういう意味でも忠輝もまた産まれて来るのが遅かったのかもしれませんね・・。
(2005/06/14 14:59)
まゆ > peepさん、忠輝は私の持っていたイメージと全く違っていて、非常におもしろかったです。家康や秀忠、豊臣秀頼の描き方もおもしろいものがありました。この時代がお好きなら、楽しめると思いますよ。 (2005/06/15 22:07)

2005年6月 3日 (金)

捨て童子・松平忠輝②

803「捨て童子・松平忠輝②」隆慶一郎   講談社   ★★★

 七十五万石の大名になった忠輝。しかし、彼は相変わらず城を抜け出しては、南蛮医学を学び、下々の者たちとわけ隔てなく接していた。
 そんな忠輝を全国のキリシタンの旗印として挙兵しようという大久保長安のたくらみが、いよいよ現実になろうとしていた。雨宮次郎衛門をはじめ、父・家康や舅・伊達政宗は、忠輝を亡命させようと画策する。

 歴史もののおもしろさの一つに、作者独自の観点・歴史観というものがあると思います。史実とフィクションを絡めながら、新しい切り口を見せてもらえると、非常におもしろい。
 今回は、伊達家の遣欧使節が実は忠輝を亡命させるためだった・・・という点が興味深かったです。真実はどうっだったのかわかりませんが、この小説には「これならありうる」と思わせる力があります。それがおもしろいのです。
 忠輝は、「将軍になどなりたくない」と言います。彼は、ただ、人であることを望みます。地位も身分もいらない、ただの人でいい、と。誰もが言えることではなく、ましてや徳川家の御曹司として栄耀栄華は思いのままのはずなのに、そう言いきってしまう忠輝に、登場人物も読者も、惹かれていくのです。
 松平忠輝の「その後」を知っているだけに、読み進めるのも気が重かったのですが、案外、この小説の忠輝ならば、自分の運命を莞爾と受け入れて生きていったのではないか・・・という気がしてきました。
 さて、あと1巻で完結です。それにしても、ここで描かれている徳川秀忠は、ほんとにサイテーの人物です。ここまで嫌われるのも珍しいかも。 

2005年5月22日 (日)

捨て童子・松平忠輝①

798「捨て童子・松平忠輝①」隆慶一郎   講談社   ★★★

 徳川家康の息子でありながら、その容貌ゆえに「鬼子」として忌み嫌われた忠輝。人の常識でははかりきれない力をもった彼は、政争の嵐の中を生き抜いてゆくのだが・・・。

 図書館を利用するようになって一番うれしいのは、「買うほどじゃないけれど、ちょっと興味がある本を読める」ことです。これも、出版された当時(15年以上前)から気になっていたけれど、買う気にはなれなかったもの。だって、3巻もあるし。
 先日、永井路子「流星」を読んでから、久しぶりに戦国から江戸初期に食指が動いていまして、その勢いのままに借りてきました。
 こういう時代物は、誰を主人公に据えて、誰の視点で(価値観で)構成するかによって、見えてくるものがまるで違うものです。松平忠輝というアウトローを通して描かれる家康や秀忠というのも、なかなかおもしろいものがあります(作者は秀忠に点がからい)。また、「自由民」という観点は興味深いものがありました。
 今まであまり関心がなかった人物なので、初めて知ることが多くて、新鮮な驚きを味わっています。
 忠輝の妻・五郎八(いろは)姫は、伊達政宗の娘。かつてNHK大河ドラマ「独眼竜政宗」にはまった私は、伊達家重臣の名が出てくると、あのドラマのキャストを即座に思い浮かべてしまうのでした。

peep > まゆさんこんにちは。「独眼竜政宗」にはまっていたと聞いて思わずレスしてしまいました。この本は未だ読んでいないのですが(汗)興味はあります~~。
伊達家の人達も出てくるのですね♪
NHK大河では五郎八姫=沢口靖子さん、松平忠輝=真田広之さんでしたよね、今思うともの凄い豪華キャストのドラマでしたよね~~。 (2005/05/26 13:03)
まゆ > peepさん、「独眼竜」に反応してくれてうれしいです。あれはものすごく久々にはまった大河だったんです。この小説には今のところ、伊達家の人たちは名前だけ、なんですが。あ、五郎八姫はもう登場しています。忠輝を誰が演じたのか思い出せなかったんですが、真田広之でしたか~。なるほど。確かに、豪華キャストでしたね。 (2005/05/26 21:09)

2003年8月26日 (火)

北見からの手紙

311「北見からの手紙」六田登   小学館   ★★★

13年前に突然逝ってしまった娘のなるみ。その死の衝撃に耐えられず、苦しむ父親。けれど、ある出来事をきっかけに再生への道を歩み始めた父親は、亡き娘に手紙を書きつづける。そこには、いのちの大切さ、不思議さがあふれていた。

 娘への手紙と、写真とで構成された本。仕事の関係で読んだのですが、薄いわりに、中身は濃いものでした。
 フィクションなのかノンフィクションなのかも定かではないのですが。
 「いのちは出会うべくして出会う」という言葉が印象に残っています。
 写真がすごくきれいで、それだけでも一見の価値はあるかも。

やぶ > 本の内容とは全く関係がなくてすいませんが、この作者の六田登さんて漫画家の六田登さんなのでしょうか?最近見かけなくなりましたが、「がんばれ元気」「F」など好きで昔読んでいたのでいたので、もし六田さんなら読んでみようかなと思うのですが(漫画を出版していたのも小学館でしたので) (2003/08/27 01:32)
まゆ > ええっと、よくわかりません。ごめんなさい。 (2003/08/27 20:38)
やぶ > うわ~、まゆさん、ごめんなさい。変なこと聞いてしまってすいません。今調べてみたら同一人物でした。http://east.portland.ne.jp/~kntk123/manga/rokuda.htm ←ここに載ってました。人にすぐ聞かず、自分で何事も調べないとダメですね。困惑させてごめんなさい。 (2003/08/28 02:44)
まゆ > どういたしまして。私ももしかして・・・と思ったりしたのですが、結局よくわからなかったのですよ。教えていただいて、かえってすっきりしました。ありがとうございます。 (2003/08/28 20:05)

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