瀬尾まいこ

2019年6月19日 (水)

傑作はまだ

2914「傑作はまだ」 瀬尾まいこ   ソニー・ミュージックエンタテインメント   ★★★

 

二十代で作家としてデビューして以来、たった一人で生活し、作品を書き続けていた加賀野正吉ももう五十歳。近所の人とも全く関わろうとせず、まるで引きこもりのような生活をしている彼のもとに、「息子」が突然現れる。毎月養育費十万円を振り込む代わりに、写真が一枚送られてくるだけで、一度も会ったことのない息子は、二十五歳の永原智という青年になってやって来た。「しばらく住ませてよ」

 

なんというか、驚きました(笑) 本屋大賞を受賞した「そしてバトンは渡された」は、血のつながりのない親子の話でしたが、こちらは真逆。まごうかたなき血のつながった父子なのに、二十五年間、一度も会ったことがない。しかも、父親はそれまで一度も会おうと思ったことがなく(そもそも、その子の母親とは結婚してない)、初対面の息子にただとまどうばかり。息子の智も、感動的な対面を演出する気はさらさらなくて、人懐っこいくせに妙にドライ。ほんと、真逆。

では、じわじわと感動ものになるのかと思いきや、父の正吉がもうどうしようもなくダメ。いや、ダメって言っちゃいけないんだろうけど、それはダメだろうといいたくなるほど社会性はないし、人とのかかわり方が下手。五十歳まで、よくこれで生きてこれたなあ。物語は大きな事件が起こることもなく、正吉のダメっぷりがこれでもかと繰り返されていきます。

そんな正吉の書く小説は、人の心の闇を描き出す、なんとも救いのないもので・・・というあたりが肝なんですが、なんとなく、瀬尾さんの「ものを書く」ことに対する意識を感じました。人生って、そう捨てたもんじゃないよ、という。いいことだってあるし、いい人だっているし。ものすごく立派な人でなくても生きていけるよ、という思いを感じたのですけれど、私の思い込みでしょうか。

まあ、正吉の両親とか、智の母とか、そんな人たち現実にいるか?とも思っちゃったのですが・・・。でも、正吉たちには、これからの時間があるのですよね。まだ、これから。

2018年4月12日 (木)

そして、バトンは渡された

2735「そして、バトンは渡された」 瀬尾まいこ   文藝春秋   ★★★★

優子には、三人の父親と、二人の母親がいる。四回も名字が変わった。17歳の今は、血のつながらない父親・森宮さんと二人暮らし。複雑な生い立ちだけれど、それぞれの「親」とうまくやってきた、と思う。だって、優子はいつだって愛されてきたから。

第1章は、高2の終わりの面談で、担任の先生から「困っていることはないか」と聞かれ、困り果てる優子の描写で始まります。

「困った。全然不幸ではないのだ。少しでも厄介なことや困難を抱えていればいいのだけれど、適当なものは見当たらない。」

先生は優子の家庭の事情をもちろん知っているのだけど、優子にしてみれば、「不幸」ではないし、自分は至って平凡な生活をしていると認識している。とりたてて悩みもない。家に帰ると、父親としてはちょっと若くて、ちょっと変わり者な森宮さんがいて、二人の生活は穏やかに続いている。

複雑な生い立ちだけれど、幸せに育った優子。彼女の高校3年の一年間が、第1章ではつづられていきます。

優子がなぜ四回も名字を変えなければならなかったのか。それぞれの「親」との生活は。それが、少しずつ語られるのですが、読んでいてどんどん苦しくなりました。

優子は「自分は愛されてきた」と言う。たしかに、その通り。どの「親」も、優子を愛し、大事に育て、優子のためにどうしたらいいか、一生懸命考えてくれた。だから、優子は「親」に感謝し、彼らとの関係を大切にすることを一番に考える子になったのです。そして、いろんなことをあきらめることを学んでしまった。「困ったことがない」のは、何かに対する愛着を手放すことに慣れてしまったから。「親」がどれだけ大事に思ってくれても、ずっと一緒にはいられないと、どこかで考えてしまっているから。

最後のバトンを託された森宮さんのもとで、優子は本当に「子ども」になれたのかもしれません。血はつながっていないけれど。いまだに「お父さん」とは呼べず、「森宮さん」のままだけれど。

第2章はちょっと大人になった優子と森宮さんの物語。いつか優子も「親」になり、「自分じゃない誰かのために毎日を費やす」喜びを実感するのでしょう。森宮さんがそうだったように。「誰かのために」という思いは、自分自身の人生を支えてくれるものなのかもしれません。

形は違っても、「親」たちから優子にそそがれた愛情は嘘ではありませんでした。その愛情は、たしかに優子を育て、やがて優子からのバトンとなって次の世代につながれるのでしょう。

読み終えてから、冒頭場面(第1章の前)に戻ってみて、ああ、と。最初はなんだかよくわからなかった場面が、もう生き生きと目に浮かんできて。泣かずにはいられませんでした。

2015年5月30日 (土)

あと少し、もう少し

2299「あと少し、もう少し」 瀬尾まいこ   新潮社   ★★★★

駅伝県大会出場をめざす市野中陸上部。部長の桝井は困っていた。メンバーが集まらない。今までの顧問が転勤して、美術の頼りない上原先生が顧問になってしまった。部長として、県大会めざして奮闘する桝井だったが・・・。

ものすごく久しぶりの瀬尾さんです。

地道な努力を重ねる設楽。市野中きっての不良の大田。頼まれたらことわれないジロー。吹奏楽部の皮肉屋・渡部。唯一の二年生の俊介。そして、部長で長距離のエース・桝井。6人の中学生と、陸上部顧問になっちゃった上原先生の駅伝物語。

学校をあげて駅伝に取り組むというのは、私も経験があるので、その雰囲気はすごくわかります。その中で、一生懸命な中学生たちにすっかり心揺さぶられました。

もともと陸上部の桝井、設楽、俊介と、助っ人の大田、ジロー、渡部とでは、抱えているドラマが違ったりします。まっすぐな子にも悩みはあるし、屈折していてもすごく純粋だったり。それに真正面からぶつかって、乗り越えていくところが、いかにも中学生で。

中学校って、たぶん、一番なんでもできるし、自分の適性以外のことも経験できるし、失敗しても許されるし。そんな「中学生だから」がいっぱいつまった物語でした。

頼りない上原先生も、実は大人ですよね。彼女みたいな先生って、いそうでいないです。

なんかもう、最後の方は胸がいっぱいになってしまって、ほろほろ泣きながら読んでました(笑)

2006年10月31日 (火)

天国はまだ遠く

1040「天国はまだ遠く」瀬尾まいこ   新潮文庫   ★★★

 仕事にも人間関係にも行き詰まり、自殺をするためにたどりついた山奥の民宿。しかし、なぜだか生き残ってしまった千鶴は、民宿の主・田村さんや丹後の自然に癒されていく。そうして、千鶴がたどりついた結論は。

 「お!文庫落ちした!」と手に取ると、帯には「映画化」の文字。おやまあ、と思って読み始めましたが、なるほど、映像化はしやすそう。
 心が疲弊しきった千鶴の、休息と復帰までの物語。と言ってしまうと身も蓋もないけれど・・・でも、非常にシンプルな話なのです。設定としてはありがちなんだけど、千鶴の意外と大雑把なとことか、気持ちが折れそうになって思いつめちゃうところとか、「今」は共感する人が多いのかもしれません。
 これを重く書かれたら、うっとうしくて読みたくなかったかもしれませんが、一方でさらさら流れすぎたかな~という気もしています。千鶴に共感しきれなかったのが原因かもしれません。
 あとがきで、瀬尾さん自身が丹後の小さな学校に赴任していて、その体験がベースになっていることを知りました。それで、自然の描写に力が入っていたのですね。

kanakana > 千鶴があまり好きになれないまま、読み終わってしまった本でした。うじうじしてるくせに、ずうずうしい気がするんですよねー。田村さんと恋愛関係にならなかった展開は、好ましくもあり物足りなくもありといったところでした。 (2006/11/01 08:35)
まゆ > kanakanaさん、たしかに千鶴は図々しいです。でも、最近、こういう人って多い気がするんですよね・・・。繊細だとか傷つきやすいとかいってるわりに図太い人が(苦笑)映像化するにはちょうどいい作品かもしれません。ストーリー的にも、分量的にも。 (2006/11/01 19:29)
EKKO > 私も千鶴があまり好きになれなくて・・もうひとつ乗れませんでした。映画化ですか~確かに映像化したら楽しいかもしれないですね。 (2006/11/03 13:02)
まゆ > EKKOさん、映画化には適していると思うのですよ。ただ、ありがちな話になってしまわないか、心配です。 (2006/11/04 20:33)

2006年9月 1日 (金)

強運の持ち主

1018「強運の持ち主」瀬尾まいこ   文藝春秋   ★★★★

 会社勤めをやめて、占い師になった「ルイーズ」吉田。一人でけっこういいかげんに占いをやっているルイーズのもとにやってくるお客たち。同棲中の通彦は、二人とない「強運の持ち主」で、ルイーズとの相性はバッチリなはずだのだけど・・・。

 どうして瀬尾さんの書くものがこんなに好きなんだろう、と思うわけです。文章が読みやすいというだけでなく、なんだかスルスルッと体の中に入ってくる。相性なのかもしれないけれど、こういう作家さんも珍しいです。私が愛してやまない恩田作品も、いつも世界に入るまである程度の時間を要するというのに。
 さて、このお話の主人公・ルイーズは、テキトーに占い師をしている女性。物事にあまり執着せず、お客をうまくさばくことを第一に考えてるような占い師です。でも、彼女に連れてこられた通彦がまれに見る強運の持ち主で、自分との相性が最高だとわかるや、彼女と別れて自分とつきあうように働きかけ、あの手この手で通彦をゲットしてしまった・・・という過去があるのでした。
 このエピソードで笑ってしまいました。いや、そんな占い師が現実にいたらかんべんしてほしいですが(苦笑)占いなんて信じてないって顔しながら、それに振り回されたり。さめてるようでいて、実はなりふりかまわないパワーがあったり。ルイーズってかわいいなあと思ってしまったのです。
 考えてみたら、瀬尾作品の登場人物ってこういう人が多いかも。目に見えてエネルギッシュではないけれど、けっこう強い。私はそういうところが好きなのかもしれません。
 一筋縄ではいかないお客たちに悪戦苦闘しながら、ルイーズが少しずつ変わっていく過程もとてもよかったのですが、この物語では「ニベア」とか「ダイエー」とか、日常の何気ないものにスポットが当たったエピソードがあって、それがすごくよかったです。特に「ニベア」は、確かにあの香りは郷愁を誘うよねえ・・・としみじみしてしまいました。 

three bells > まゆさん、本当に「目に見えてエネルギッシュではないけれど、けっこう強い」になるほど~って同感です。自分にもどこか強いところがある気がして元気が出ます。 (2006/09/02 21:59)
まゆ > three bellsさん、私は見た目はエネルギッシュだけど、けっこう弱いタイプなので(笑)、瀬尾作品の登場人物には惹かれるのかもしれません。私ももうちょっとたくましくならなきゃなあ。 (2006/09/03 18:30)

2005年6月 1日 (水)

優しい音楽

801「優しい音楽」瀬尾まいこ   双葉社   ★★★★

 毎朝、駅で僕を待ち構えていた女の子。なんとなく話をするうちに、僕は彼女のことが好きになってしまった。
 「恋人」になった僕たち。けれど、彼女は僕を家族に紹介しようとしない。ある日とうとう彼女の家を訪れた僕を待っていたものは・・・。

 瀬尾さんの新刊。「優しい音楽」「タイムラグ」「がらくた効果」の三つの短編を収録。
 短編でも瀬尾さんらしさ全開。・・・と、思ったところで、はたと考える。「瀬尾さんらしさ」って何?
 さらさらと流れるように紡がれる文章。
 気取っていないけれど、決して下品ではない登場人物たち。
 静かな中にもドラマティックな展開(ちょっと少女漫画っぽい?)
 そして、優しくせつない物語。

 「優しい音楽」では、人の気持ちのあたたかさとせつなさに泣きたいような気持ちにさせられました。
 「タイムラグ」では、ちょっとイライラしたけれど(不倫する男って、嫌なんです)、「がらくた効果」で気持ちが救われるような気がしました。
 3日かけて1編ずつ読みましたが、しみじみと、いい話でした。私は表題作が一番好きです。

nanao > 優しくせつない物語
そうでしたね。
エッ、僧だったのって思わず絶句すると同時、たまらなく優しさが染みてきました。
次回はどんな作品なんでしょうか。 (2005/06/01 23:57)
ゆきみ大福 > ますます楽しみになってきました。今順番待ちです。瀬尾さんの作品は読み出すとあっという間で「あ~あ、終わっちゃった~」という気分になるので、三日かけて1編ずつというのはなんだか「正しい楽しみ方」のような気がしてきました。私もしみじみとじっくり楽しもう!と思います♪ (2005/06/02 00:13)
ミワ > 表題作、わたしも好きでした!瀬尾さんらしさ・・・、個性的であるようでないような、でも瀬尾さんにしか書けないだろうなぁという物語なんですよね。「少女漫画っぽい」とおっしゃること、すごく納得です。わかります。 (2005/06/02 18:21)
まゆ > nanaoさん、「優しい音楽」は二重三重に「えっ!」という展開があって、それがまた心に沁みてくるんですよね・・・。しみじみと、いい話でした。 (2005/06/03 23:51)
まゆ > ゆきみ大福さん、最近心身ともに不調で、本を読むペースが落ちているのです。いつもならあっというまに読んじゃうくらいの分量なんですけどね。でも、少しずつ読んで、かえってよかった気がします。 (2005/06/03 23:53)
まゆ > ミワさん、「少女漫画っぽい」というのに賛同してくださってありがとうございます。いいにつけ悪いにつけ、そう感じていたもので・・・。ありがちな話のような気がするんだけど、やっぱり瀬尾さん独自の味わいがある、そんな物語ですね。 (2005/06/03 23:55)

2005年4月29日 (金)

幸福な食卓

786「幸福な食卓」瀬尾まいこ   講談社   ★★★★★

 佐和子の家では、朝食は必ず家族がそろって食べる。父と兄と佐和子。母が家を出てからも、その習慣は変わらない。そして、ある朝、父が言った。「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」

 するすると読んでしまいました。でも、読み終えてからずっといろんなことを考え込んでいます。
 4つの話で構成されているこの物語は、一話につき一年、時間が経過しています。ある家族の4年間の話。それじゃあ、いろんなことが起こるわけだ・・・。
 最初は「変な家族」と思ったのです。なんか、空々しい。「父さんを辞める」という父親も、それに異を唱えない兄・直ちゃんも、家を出たのにごはんを作りにくる母親も、なんとなくふわふわしている佐和子も。かなり無理して「いい家族」やってるような。
 だけど、そうなったのにも理由があって。なぜ「いい家族」やってるかというのも、それはとっても不器用な優しさからくるものであって。それぞれが一言ではいえないような思いを抱えて、それでも家族としてつながっている。
 それが最終話のクライマックスで、もうどうしようもなく胸に響いてきて、読みながらボロボロ泣いてしまいました。
 佐和子たちのことを「変なの」と思ったけれど、家族の「普通」って何よ?とか、考えてしまいます。自分の家族のこととか。   私は通勤可能な距離に実家がありながら、あえて部屋を借りています。家族と距離をおくことで、ようやくバランスがとれている感じ。その存在をうざったく感じることも多いけど、家族がいてよかったと思ったこともあるなあ、とか。とりとめもなく、そんなことを考えています。

 瀬尾さんの描く、いいかげんに見えて実は不器用で生真面目な人たちの物語は、私にとってはすごく痛い。でも、読まずにはいられないのです。
 それから。この話、食べ物がおいしそうで。おいしい卵とか、キャベツとか、シュークリームとか、食べたくなります。

nanao > まゆさんの書かれていることを読んで、再読してみたいと思いました。家族の普通っ手なんだろう、まさしくそれが作者の言いたいところだったのではと思っています。
悲しみがあっても、何も無かったように継続する家族、そこに家族の柔軟さと言うか強さというか、それがこの作品の裏にあったのではと、今思います。 (2005/05/01 16:36)
まゆ > 瀬尾さんの描く世界は、シンプルなんだけどどこか歪んでいるような気がします。で、その歪みには見覚えがあるのです。それでも、生きている人たちの姿に、一も二もなく共感してしまう私です。この物語も、展開そのものはマンガっぽいんですけどね。私はとっても好きです。 (2005/05/01 21:01)
すもも > まだこの方の本は、「図書館の神様」しか読んだことがないのです。まゆさんが、五つ☆ですもの。メモしました~。 (2005/05/03 21:59)
まゆ > すももさん、デビュー作の「卵の緒」もいいですよ。私は瀬尾さんと相性がいいみたいで、ほかの方より評価は甘いみたいです。 (2005/05/04 18:07)

2004年5月12日 (水)

卵の緒

515「卵の緒」瀬尾まいこ   マガジンハウス   ★★★★

 「へその緒を見せて」・・・そう言った育生にお母さんが見せたものは卵のかけら。僕は捨て子なんだろうか? そしてお母さんに恋人ができ、育生をとりまく環境は変化していく。(「卵の緒」)

 「卵の緒」と「7's blood」の二編を収録。血のつながりのない家族の話と、半分だけ血のつながった姉弟の話。正反対の「家族」なのだけど、どうやら共通するのは作者の言葉を借りると「心地よい関係」らしい。
 話としては「卵の緒」の方がよくできているのかなと思うのですが、私が共感できたのは「7's~」の方。ある日突然、亡父が愛人とのあいだにつくった弟と一緒に暮らすことになった七子のとまどい。妙に人あたりのいい、よくできた弟の七生と、七子の距離が少しずつ縮まっていく過程がすごくおもしろかったです。
 瀬尾さんの作品は「図書館の神様」を先に読んでしまったのですが、この人の書く物語は、すうっと染み込んでくるものがあって隙です。「図書館~」はヒリヒリするような感じがあったのですが、これはもうちょっとソフトであったかく、でもものの見方の鋭さにドキリとさせられました。これからもずっと追いかけていきたい作家さんです。

ありんこ > 「図書館の神様」まだなんです。この「卵の緒」がじんわり温かい内容だったので、期待しているのです!こんな風に血のつながりよりも心地よい関係ってあるんですね。憧れます。
(2004/05/12 22:25)
あさこ > 私は「図書館の神様」より、どちらかというとこっちの方が好きなんですよね。優しくてあったかくて、本当に大好きな1冊です。 (2004/05/12 22:55)
ココ > 育生と七生にメロメロでした(笑)。どうもこれを読んでから小学生の男の子(頑張っちゃったり健気な感じの)が登場する話に弱くなったような気がします。瀬尾さんの暖かさ、好きです。 (2004/05/12 23:06)
たばぞう > まゆさん、以外にもこれは未読だったのですね。瀬尾さんはまだ2冊しか本を書いていませんが、どちらも上質ですよね。次回作も楽しみです。 (2004/05/13 00:03)
流歌 > この表題作のお話、近々ラジオドラマ化するんですよ。それをすごく楽しみにしています。ラジオドラマを聴いて良かったら、『図書館の神様』と共にこの本読んでみようと思います。「7's blood」の話も気になるし。 (2004/05/13 01:11)
ハイジ > 私も、なんだか少し参っている時に読んで、電車の中で号泣でした。この親子って、まさに私の理想とする母と子。家族、というより、絆というものを決して押し付けがましくなく、それでいてしっかりと描ける作家さんですよね。 (2004/05/13 01:58)
ざしきぼっこ > あのお母さん、良いですよね。普通なら多少オロオロしそうな子供の問いかけも豪快に応じて。 (2004/05/13 09:25)
トントン > 図書館で借りていてちょうど読み終わったところです。「図書館の神様」もよさそうですね!楽しみです♪ (2004/05/13 09:51)
まゆ > おお、レスがいっぱい! 瀬尾作品の人気のほどがわかりますね。
ありんこさん、「図書館の神様」はもうちょっとシビアかなという気がしますが、底を流れているものは「卵の緒」と同じだと思います。
あさこさん、「図書館~」は私にとってはちょっと特別な物語なので比較できないのですが・・・「卵の緒」はたぶん、瀬尾さんの原点になる物語なのでしょうね。
ココさん、私は七生がかなり好きでした。夜道を七子の手をひいて歩く場面がとってもよかったです。
たばぞうさん、これ、ずっと読みたかったんですがどこにもなかったんですよ~。先日、「新進女性作家フェア」をやっている書店でようやく見つけました。気体に違わぬおもしろさでした。
流歌さん、ラジオドラマですか。うちは電波がよく入らないので聞けないのが残念。ドラマを聞いて、原作も読んだら感想アップしてくださいね~。
ハイジさん、私は七子と七生の方にやられました。弱っている時だったら泣いたでしょうね。実は「照柿」で悪戦苦闘してまして、ちょっと気分転換にこれを読んだのでした。
ざしきぼっこさん、あの母親ってある意味とんでもないと思うのですが・・・そう思わせないところが素敵ですよね。
トントンさんも読まれましたね~。地元図書館にないので、私は買ってしまいました。どうしてもどうしても読みたかったので。 (2004/05/13 19:45)

2004年1月11日 (日)

図書館の神様

421「図書館の神様」瀬尾まいこ   マガジンハウス   ★★★★★

清は高校の講師として赴任した。バレー部の顧問になることを希望していたのに、なぜか担当は部員一人の文芸部。国語教師ながら文学に全く興味のない清には苦痛でしかない部活だったのだけれど・・・。

 睡眠時間3時間で書店に入るのはけっこうヤバイものです。後先考えずに本を買ってしまうから。この本、本プロでけっこう評価高かったなあ・・・などと考えていたら、いつのまにか手にとってレジに並んでいました。
 実は、読み始めて三分の一くらいは、ほんとに後悔してました。おもしろくないからではありません。主人公の清のキャラクターが、ものすごくかつての自分とかぶってしまったからです。と言っても、アレルギー体質でもなく、人を自殺に追い込んでしまったこともなく、不倫もしたことはありませんが。「これが正しい!」と思ったことを通し、人にも自分にも厳しいところがものすごく過去の自分にだぶってしまい・・・。しかも、それが崩れた時の反応もすごくよく似ていたのです。本を読んでいればたまにこういうこともありますが、久々に「うわ~」と思いながら読んでました。
 清は自分と似たような傷をもつ垣内くんと部活をすることによって、少しだけ救われる思いを味わうのですが、それもすごくわかる気がしました。私も仕事をする上でいっぱい失敗を繰り返しながら、人を許せる(うわ、えらそう)ようになってきたからです。
 この物語を読んでいて、すごくホッとしたのが、清の弟の拓実の存在。彼みたいな人間って、清みたいなタイプの人には絶対必要だと思うのです。
 瀬尾さん自身教壇に立ってる方なので、「ああ、わかるわかる、その感じ」ってとこもあって、いろんなポイントで共感しまくりでした。海が見える学校ってのも懐かしかったなあ。私の初任校がそうでした。
 とにかく、あまりにも共感しすぎて冷静に読めていない気がするので、もう少したってから、落ち着いて読み返そうと思います。

ハイジ > ダヴィンチで紹介されていて、ものすごく気になっていました。私にとっても、学校の図書館はパラダイスだったので。図書館のあのにおいと、あの感じ、もう一度帰りたいなあ… (2004/01/12 21:13)
まゆ > 「文学なんてまったく興味がない」と言い切ってしまう国語教師が主人公です。でもたぶん、本好きの人にはすごく響く物語だと思います。読みやすいし、読後感もいいし、おすすめしますよ。 (2004/01/13 00:54)
ときわ姫 > 本プロで評価が高かったので、本屋で見かけたとき立ち読みしてみました。良かったら図書館で借りようと思って。でも少し読んで、ダメだと思いました。私、この主人公が嫌い。イライラして不愉快になってしまったのです。でもまゆさんの日記を読んで、もしかして小学生のころの私ってこんな子だったかもと思いました。凄く嫌な記憶を刺激されちゃったせいで、不愉快になったのかな。中学の時ある出来事があって、自覚が出来たみたいです。それから気をつけるようになりました。 (2004/01/13 10:28)
まゆ > 私はほんとにこういうところのある子どもだったし、教師になった当時は清みたいなところも多分にあったので、なんだか自分のことを書かれているようで、最初は居心地悪かったです。清がゆるやかに変化していく過程をぜひ読んでいただいきたいです。ガラりと変化するわけじゃなくって、ほんの少しなんですが、それがかえってリアルで好感がもてました。 (2004/01/13 18:27)
莉子 > 私もこの本、つい最近読み終えたばかりです。もうすぐ感想UPしますね。拓実と垣内くんの存在って大きいですよね。あと、松井先生も憎めない気になる存在でした。静は松井先生の事嫌いだと言ってましたが、私は浅見さんより好きです! (2004/01/13 23:49)
まゆ > 私はやっぱり拓実がお気に入りです。垣内くんは飄々としていて、最初は「ほんとに高3かよ」って思ってたんですが、彼の傷の部分が見えてから人間らしく思えてきました。浅見さんは苦手だなあ・・・。 (2004/01/13 23:55)
ココ > 教師のまゆさんの評価が高くてなんだかうれしいです。読み始めは清の性格がつかみにくくて不安でしたが、周りの人によって少しずつ変わっていくところは、上手だな~と思いました。そしてラスト。それはないよ~瀬尾さん・・・て泣き通しでした。 (2004/01/14 16:37)
まゆ > この本にめぐり合えたのはココさんのおかげ。日記を読んでチェックしてました。教師ものってあんまり得意じゃないんですけど、これ買った時は寝不足でボーッとしてたんですね(笑)でも、読んでよかった。ラストの手紙のあたりがすごく好きです。 (2004/01/14 17:36)
かの > まゆさん、今年もよろしくお願いします。この本、図書館に入っていなかったので、買おうかどうしようか迷ってます。タイトルが魅力的ですよね。 (2004/01/14 17:45)
まゆ > かのさん、こちらこそよろしくです。確かに、本好きの心をくすぐるタイトルですよね。私はボーッとしてて買っちゃいましたけど(笑)、たぶん、これから何度も読み返す一冊になるのだろうなと思ってます。 (2004/01/14 23:38)
北原杏子 > 何かみなさんが絶賛されてるようで、他にも読む予定の本が詰まってるくせにまた図書館に予約いれてしまいました。でも面白そう… (2004/01/15 01:18)
まゆ > 読み始めはちょっと主人公に感情移入できなくて・・・という人が多いようです。それだけは覚悟して読み始めた方がいいかも、です。でも、いいお話ですよ。 (2004/01/15 17:31)

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