福井晴敏

2005年5月29日 (日)

終戦のローレライⅣ

799「終戦のローレライⅣ」福井晴敏   講談社文庫   ★★★★★

 第3の原爆の投下を阻止せよ。
 誰の命令でもなく、自分の意志で、伊507と乗員たちはテニアンへ向かった。未来へ、全ての希望をかけて。

 まいりました。脱帽です。
 風邪ひいて微熱が続いている時に読む本じゃないよなあと思いつつ、読み始めたらやめられなくなってしまいました。
 映画、先に観といてよかった。原作を先に読んでしまったら、映画はものすごく物足りなく感じたと思います。それくらい、密度の濃い物語でした。最後の最後まで。
 いよいよテニアンへ・・・というところで、映画はクライマックスに向けて突っ走るのですが、小説はまだ二転三転します。しかも、多方向で話が展開するので(伊507、ウェーク島、米海軍など)、こちらも多重放送の中に放り込まれているよう。でも、それが煩雑な印象を受けないところがさすが、です。
 パウラであれ、征人であれ、絹見であれ、浅倉であれ、誰かに過剰に感情移入もできない代わり、その生きざまに等しく感動してしまいます。これだけの物語を構築する、その力にただ圧倒されて読み終えました。
 
 映画は映画で、いい出来だったと思うのです。限られた時間の中で、わかりやすく構成されていたと思うし。
 でも、小説は別物ですね・・・。
 どちらがいい悪いでなく、それぞれに感動できるものに仕上がっていると思います。私は映画を先に観たので、小説で描かれている艦の内部や戦闘の状況が、具体的にイメージできたのも事実。
 ただ、映画にフリッツが出てこなかったのは残念です。

 すごいものを読んじゃったなあというのが正直なところ。壮大な物語を紡ぎあげた福井さんに敬意を表して☆5つ。

 人間は何度も間違うかもしれないけれど、また立ち上がり歩き出す「未来」を持っているのだと信じたいです。

あしか > え?Ⅳは、まだだったんですね。じっくり読まれたのですね。でも、体、大丈夫ですか?ここ何日か見かけないなあと思っていました。しかも、もう中間テストではないですか?なかなか休まらない季節かと思いますが、体に気をつけて頑張ってください。(o^-^o) (2005/05/26 08:00)
nanao > ついに読了ですね。
感動で微熱もふきとんだのでは?
また立ち上がり歩き出す「未来」を持っている
良い言葉です。自分も立ち上がらなくては。 (2005/05/26 08:11)
まゆ > あしかさん、ご心配をおかけしています・・・。今年、うちの学校は1学期の中間テストがないので、ちょっと楽なはずなんですが。本プロでも、自分のとこにレスつけるのでいっぱいいっぱい。皆さんのとこにお邪魔する余裕がなくて残念です。
Ⅳはじっくり読めるときまでとっておこうと。でも、結局、具合悪いのに読んじゃいましたけど(笑) (2005/05/26 21:13)
まゆ > nanaodさん、映画はそりゃもうボロボロ泣いたのですが、小説はなく余裕すらなく、物語の中に放り込まれている感じでした。終章は余計かなと思ったりもしましたが、ラストシーンで、「ああ、福井さんはこれを描きたかったんだなあ」と納得しました。 (2005/05/26 21:16)

2005年5月 5日 (木)

終戦のローレライⅢ

792「終戦のローレライⅢ」福井晴敏   講談社文庫   ★★★★★

 広島に核爆弾が投下された。いよいよ敗戦へとひた走る日本。その未来を見据え、「国家としての切腹」を目論む浅倉大佐の手に、伊507は落ちた。部下の裏切りに戸惑い、浅倉の弁舌に翻弄される絹見艦長の目を覚まさせたのは、まだ若い折笠征人だった。

 すごい。という言葉しか出てこない、語彙の貧弱さに我ながらあきれ返っています。
 映画ではほとんど触れられなかった、それぞれの背負った人生に圧倒されまくりです。掌砲長たちと浅倉との関わりも、これでもかというくらい描写されていて(夕飯食べた後に読んでよかった・・・)。読んでいてつらいのは、おそらくこれが全くの虚構ではないことが想像できるからです。
 だから、浅倉の考えには思わず説得されそうになってしまう。何か変だぞと思いながらも。でも、それを一蹴してみせた征人に、本当に感動してしまいました。涙出そうになりました。
 何のために戦うのか、何を守るために戦うのか。一番純粋だった征人だけが、それを間違えることがなかったのですね・・・。
 
 映画との違いをあげればきりがないけど。
 清永の死に方、全然違うじゃないですか! 映画では申し訳ないけど、「その死に方ってどうよ」と思ったのですが。こっちがいいとは思わないけど、清永らしいなと思いました。
 それから、先任将校・高須。映画ではギバちゃんですよね? これも全然違う~。映画のギバちゃんもよかったけど、小説バージョンの高須を演じてほしかった気も。このままでも、いい役だったと思うんだけどなあ。

あしか > いよいよ佳境に入りましたね~。
浅倉さんは、やっぱりすごい人なんだろうけれど、なにか妖魔のようなオーラを持っていますよね。なので、映画になったときに堤慎一は絹見の弟だと思ったんですよね。まともっぽいから。
あと一巻になっちゃいましたね~。ラストのUP楽しみに待ってます。 (2005/05/06 09:00)
nanao > ついに来た、涙腺全開モードですね。
>おそらくこれが全くの虚構ではないことが想像できるからです。
だからこそこの作品に現実感があるのだと思います。



(2005/05/06 19:24)
まゆ > あしかさん、とうとう残すところ1冊です。浅倉の放つオーラというか、迫力はすごいですよね。映画では、エリートの暴走っぽく感じましたが、小説ではここまで書き込んでいると、彼が狂気(と、あえて言ってしまおう)に囚われる過程がまざまざと浮かび上がってきて。とにかく、すごいです。あと1巻、いつ読もうかわくわくしてます。 (2005/05/08 17:50)
まゆ > nanaoさん、なぜこの物語に「折笠征人」が必要だったのか、ちょっとわかってきた気がします。17歳なんですよね、まだ。それを思うと胸が痛いですが。 (2005/05/08 17:52)

2005年5月 1日 (日)

終戦のローレライⅡ

788「終戦のローレライⅡ」福井晴敏   講談社文庫   ★★★★

 深海に沈む特殊兵器「ローレライ」を回収するべく、出航した潜水艦「伊507」。回収任務に抜擢された折笠征人は、ローレライの内部で、少女パウラと出会う。彼女こそが「ローレライ」だった。

 すごい。文章だけで潜水艦の中の密閉感をここまで感じさせるなんて。こう言っちゃなんですが、映画より臨場感あります。ただ、艦内がイメージしやすいのは、先に映画を見ていたおかげですね。
 もう、映画とは全く別物です。パウラがローレライシステムの核だということ、征人がローレライに同乗するということ、その設定はそのまま残っていますが・・・。パウラとフリッツの生い立ちや、征人の生い立ち、絹見艦長の弟のことなど、映画には出てこない話がいっぱい。とは言え、これを全部映画化したら、膨大な時間が必要になるので仕方ないとは思いますが。
 それにしても、2巻読み終わっても、ようやく本編に入りかけたかなあ・・・というところですよね。これからが本筋。あと2巻、がんばります。

 今回改めて気づいたんですが・・・征人と清永って、17歳なんですね。現代の17歳よりは精神的に大人だとは思うけど、でもまだ10代。そんな彼らが、極限での死に向かい合うって・・・。彼らの成長物語でもあり、少年の目から見た「大人」の物語でもあるんだろうけど。清永の明るさと、征人の純粋さに救われると同時に、それがすごく痛々しくも感じられます。

あしか > まゆさん、順調ですね(o^-^o)   映画では特攻を望み死に急ぐ征人として描かれていますが、原作はそうじゃないんですよね。戦争もの入門としては、やはり「死に急ぐ若者」描写が必要だったのかな・・という気がしましたが。ひとりひとりのそれまでの生き様の描写は、まだまだありますよ~お楽しみに~。 (2005/05/02 09:01)
ときわ姫 > 30日夜のテレビ「ブロード・キャスター」で、ハワイ沖に沈められた旧日本海軍の潜水艦の事が取り上げられていました。超大型で、潜水艦に爆撃機を載せた、それまでなかった船です。最終的に載せたのは特攻機。浮上したわずかの時間で出撃できるように訓練して、いよいよという時に終戦になったのだそうです。アメリカ軍に引き渡された後、研究してから沈められたんですって。私はそんなのが造られたことは知りませんでした。この小説とは直接関係ないのですが、テレビを見ていたときもこれを連想しました。 (2005/05/02 17:11)
ときわ姫 > 30日夜のテレビ「ブロード・キャスター」で、ハワイ沖に沈められた旧日本海軍の潜水艦の事が取り上げられていました。超大型で、潜水艦に爆撃機を載せた、それまでなかった船です。最終的に載せたのは特攻機。浮上したわずかの時間で出撃できるように訓練して、いよいよという時に終戦になったのだそうです。アメリカ軍に引き渡された後、研究してから沈められたんですって。私はそんなのが造られたことは知りませんでした。この小説とは直接関係ないのですが、テレビを見ていたときもこれを連想しました。 (2005/05/02 17:11)
ときわ姫 > 一回しかクリックしなかったのになぜか二つ載ってしまいました。もし削除できたら削除をお願いします。 (2005/05/02 17:13)
あしか > ときわ姫さんは、読まれてないのに、この話に詳しくなっちゃったって感じですよね。まさに、それは、思い出す話です。この伊507は、実在していて、フランスの「シュルクーフ(でしたっけ?)」がドイツからそして日本へと戦利潜水艦として来たところまでは実話みたいなんですよね。でもときわ姫さんの見られたテレビの内容までは初めて知りました。見たかったなあ~。 (2005/05/02 22:11)
まゆ > あしかさん、おかげさまで2巻も読了です。明日、3巻を買いに行きます。征人にしても、絹見にしても、映画とはかなり違いますよね。映画版の方が「わかりやすい」設定になっていたと思います。やっぱり、先に映画を見たのは正解だったかもしれません。小説が先だったら、絶対映画に不満感じた(笑)
伊507って・・・ほんとにあったんですか!!!これってモデルになった艦があったのかなあ、どこからこんな話思いついたんだろうとか、すごく気になってたんですよ。 (2005/05/03 00:02)
まゆ > ときわ姫さん、レス消せませんでしたよ。なので、このままで。
「ブロード・キャスター」の、気になってたんですよ!!どなたかに聞いてみようかと思っていた矢先に!情報ありがとうございます(あの特集が終わる直前にテレビをつけたのです。え?と思った時にはもう次の話題に移ってました)。潜水艦に爆撃機・・・どうすればそんなことができるんだろう。「ローレライ」とは違うけれど、なんとなく関係ありそうな。福井さんは知ってたのかな。ああ、気になる~。 (2005/05/03 00:07)

2005年4月26日 (火)

終戦のローレライⅠ

784「終戦のローレライⅠ」福井晴敏   講談社文庫   ★★★★

 昭和20年、夏。ナチスドイツからもたらされた潜水艦・伊507は、極秘任務を受け、航行を開始した。艦長・絹見、新米乗組員・折笠をはじめとしたクルーたちのドラマを載せて、伊507は海中を進んでいく。

 先日映画を見て号泣しましたが、ついに原作に着手。
 ・・・すいません。これ一冊で映画の冒頭部分くらいなんですけど。映画にはないエピソードてんこ盛りで(覚悟はしてましたが)、「え?一巻はここで終わり!?」状態。この一冊分、映画にしたら10分たらずのところではないでしょうか。
 じゃあ、原作が長ったらしいのかといえば、さにあらず。おもしろいです。絹見や折笠、フリッツや浅倉・・・登場してくる男たちが背負っているドラマが、文句なしにおもしろいのです。
 映画では語られなかった部分(時間の都合でどうしようもないところではありますが)が、かえって興味深く感じられます。浅倉ってそういう人だったんだ、とか。
 そして、これはまだ序章でしかないとわかっているので、今後、どう「熱く」なっていくのか、楽しみなわけで。
 サクサク読めないのがつらいとこですが、あと3冊、がんばります。

 ところで、映画「亡国のイージス」のキャストを今日知りました。う~ん。イメージ違うような・・・。真田広之かあ・・・。

あしか > 亡国の如月行の本が出てるらしいんです。題名ずばり「如月行」そして「如月行って誰」っていう帯。写真集みたいなんですけどね・・・。 (2005/04/27 10:53)
まゆ > あしかさん、アマゾンでチェックしてきました。「もう一つの『亡国のイージス』~オール・アバウト如月行」ですね。映画のオフィシャルブック。ビジュアル版みたいな感じらしいですね。「如月行の絵」が載ってるというので、ちょっと興味あり、です。買う気はないけど、見てみたいなあ。 (2005/04/27 20:33)
トントン > 映画は見てないんですが、前から福井作品、気になっています。本プロでも皆さん高評価ですよね!分厚さに尻込みしていましたがぜひ読みたいと思います。 (2005/04/27 21:15)
まゆ > トントンさん、あの厚さは手にとるの勇気が要りますよね~。私もずっと尻込みしていた一人です。でも、読み始めたらはまるはまる(笑)おすすめですよ。 (2005/04/29 22:48)

2005年4月21日 (木)

川の深さは

779「川の深さは」福井晴敏   講談社   ★★★★

 元警視庁マル暴の刑事だった桃山は、今ではビルの警備をして日々を過ごす、冴えない中年男。そんな桃山の前に現れた、得体の知れない少年と、彼が守る少女。追われて桃山のいるビルに逃げ込んできた二人をかくまったことから、桃山は国家機密に関わる陰謀に巻き込まれてゆく。

 あなたの目の前に川が流れています。深さはどれくらいあるでしょう?
 1、足首まで。2、膝まで。3、腰まで。4、肩まで。

 この心理テストが、この物語を象徴している。作者の意図するところがあまりにも明快に表現されていて・・・でも、読んでいてドキン、としてしまった。
 福井作品は「6ステイン」「亡国のイージス」と読んで、映画「ローレライ」を観た程度だけれど、徐々にはまりつつある自分を実感しました。
 この物語は、骨組みが「イージス」ととても似ていて、どちらが先?という感じでした。「市ヶ谷」の優秀な工作員でクールな少年と、全く対照的な熱い中年。全く相容れない二人に、次第に絆ができていくという・・・。
 ハードな内容ですが、描かれているのは「人」であるという点が、私にはツボなようです。中身が整理しきれていなかったり、ちょっとゴチャゴチャした印象も受けますが、かなりのめりこんで読みました。「イージス」や「6ステイン」とつながっている世界だったし。
 「終戦のローレライ」も読もうと決意しました。いつになるかわからないけれど。「ターンエーガンダム」も読んだ方がいいかしら・・・?

 「川の深さは」・・・私は、「腰まで」でした。

あしか > 私、なんと足首なんですよ・・・。
まゆさんさすが、「川の~」から行かれたんですね。福井さんのデビュー作、ルーツとも言うべき作品ですよね。次々行かれるのをお待ちしております。 (2005/04/21 23:18)
nanao > 「ターンエーガンダム」は私も未読です。
作者はガンダム世代なので、どんな書き方をしているか楽しみです。まゆさんのアップ楽しみにしています。 (2005/04/22 03:48)
ときわ姫 > この本は読んでないのですが、「ターンエーガンダム」ネタで。
「月に繭 地には果実」出版しなおされた本が、また装いも新たに再出版されました。今回は一冊の単行本です。まゆさんは文庫派なのですが、一度探してみて下さい。魅力的な本なので本棚に置きたくなりますよ。幻冬社から題名は「月に~~」で2000円です。
川の深さは?って聞かれたら、どういう川なのか問い返したらいけないんでしょうか?いきなり聞かれても川にもいろいろあるとしか思えないんです。本を読んでないので、かなり的外れな思いかもしれません。 (2005/04/22 09:57)
nanao > 「月に繭 地には果実」出版しなおされた本、見ました。思わず買いそうになってしまいました。表紙が素敵でした。壁紙にしたいような。 (2005/04/22 19:41)
まゆ > あしかさん、足首なんですか。うふふ。「肩まで」という答えに、作者が描き出したかった人間性みたいなものが凝縮されていましたね。熱いなあ、と思って。これがデビューなんですね(全然わかってないし)。ここが原点なのだと納得しました。 (2005/04/22 21:17)
まゆ > nanaoさん、「月に繭 地には果実」、以前から気になってるんですが・・・。実は私、福井晴敏と同世代なんですが、「ガンダム」ってイマイチついていけなかったクチなんですよ。こんな私が読んでもついていけるんだろうか?と・・・。 (2005/04/22 21:19)
まゆ > ときわ姫さん、情報ありがとうございます。再出版ですか~。とりあえず、どこかの書店で文庫を見かけた気がするので、買ってみようかなと思ってたんですが。
「川の深さは?」・・・たぶん、聞かれた瞬間にパッとイメージした「川」で答えればいいのではないでしょうか。今、ときわ姫さんの目の前にある川の深さは? (2005/04/22 21:21)
ときわ姫 > まゆさん、前に出た「月に繭~」の文庫は3冊に分かれているので、一冊いくらかは知らないのですが、新しく出た単行本と大差ない値段になるのではないでしょうか。最初の形「ターンエーガンダム」は新書版で上・下2冊なのですがなんと一冊千円以上と新書版とは思えない値段です。といってもやたら分厚いのですがね。
川・・・・、聞かれた瞬間5箇所くらいの実際にある川を思い浮かべてしまう私って・・・・。足首くらいの深さの川なんてあるわけないし、うーん。 (2005/04/23 13:34)
まゆ > ときわ姫さん、この休みに書店を探してみましたが、新装版見つからなかったのです。やはり、もっと大きな書店に行かないと!とりあえず、「ローレライ」読んだら、手を出そうかなと思います。
川、悩んでますね。私こういうの全然考え込まない人なんで、すぐに「腰!」と思って、その後の解説で「ほほぅ」と思ってしまいました。あしかさんは足首だというし、さて? (2005/04/24 19:43)

2005年3月10日 (木)

亡国のイージス

759「亡国のイージス」福井晴敏   講談社   ★★★★★

 ミニ・イージス艦「いそかぜ」。その艦長・宮津、先任伍長・仙石、クルーの如月。彼らを飲み込んで、「戦争」の幕が開く。それは、国防の楯ならぬ「亡国の楯」となった自衛隊を、さらに日本という国を混乱に陥れるものであった・・・。

 先日読んだ「6ステイン」の世界が忘れられず、さらに「彼」と会いたくて、借りてきてしまいました。どうして、この仕事が忙しい時に、こんなの読んでるよ・・・。
 さすがの厚さにクラクラしましたが、5日で読了。堪能しました。男たちのドラマが熱かったです!
 護衛艦と言われても、全く興味がないので、その辺は流し読みしていましたが、それでもこの人間ドラマは決して薄まることがありませんでした。しかも、5日かけて少しずつ読んだにもかかわらず、こちらのテンションが全く下がることがなかったです。すっかりはまっていました。
 いろんな信念やら理想やらが語られていましたが、最終的には「人の生きる力」に、非常にシンプルに感動しました。クライマックス、仙石が操艦を引き受けるくだりや、宮津と行のやりとりなど、胸が熱くなりました。
 人だから、間違うこともある。逃げることもある。それでも、生きる力をもっている。そういう真実。それを真正面から描ききった作者の気迫がすごいです。
 現場で奮闘する仙石や行だけでなく、管理する側の渥美や、さまざまなサイドでの「戦い」を、破綻することなく描いたのもすごいです。
 それにしても、女性の登場はほんとに少なかったですね。思わず、人数数えちゃいました(笑)その代わり、おじさんはいっぱい出てくる・・・。

あしか > 楽しまれましたねえ~。じゃあきっと春休みは「~ローレライ」でしょうか?如月行よりちょっと明るい征人がまたいいんですよ! (2005/03/10 22:33)
ココ > あ!まゆさん、さっそくですね!後半はこれでもかってくらいいろんなことがあって、ものすごく読んでいて疲れた記憶があります。でも、いいんですよね~。 (2005/03/10 23:14)
さくら > 星5つですね!私は文庫で購入してあります・・が、「ローレライ」の余韻が強くまだしばらく手に取れなさそうです。 (2005/03/11 09:58)
nanao > 確かに女性の登場が少ないのが気になりましたね。
その点、ローレライは良く出来てました。
胸が熱くなる、寒い時にぴったりです。 (2005/03/11 19:04)
まゆ > みなさん、レスありがとうございます~。
あしかさん、600ページ超・二段組みというので、遅々として進みませんでしたが、楽しみました。でも、序章だけでもうおなかいっぱいでしたけど(笑)「ローレライ」はいつ読もうか迷ってます。やっぱり春休みかなあ。
ココさん、読んじゃいました。おすすめありがとうございました。後半の怒涛の展開はすごいですよね。ちょっと「ホワイトアウト」を思い出しましたが、こっちの方が容赦ないかな、と。
さくらさん、図書館に「ローレライ」がないんですよ。文庫で4冊・・・う~ん。でも、きっと読んじゃうと思うので、さくらさんの感想もあえて見ないようにしてるんです。
nanaoさん、あれだけたくさんの人が出てきて、女性は10人もいないんですよ。ものすごい「男の世界」でした・・・。最後に宮津の妻がおいしいとこ持っていきますけどね。 (2005/03/11 23:10)
butti > まゆさん!ヤマトばりに!?熱かったですよね~~!そういえばヤマトも女性っていったら森雪くらいしか覚えてないなぁ。ホワイトアウトに似てるって点も同感です♪わたし、実はホワイトアウトにめちゃめちゃはまり、当時入院していた友人に買ってプレゼントした覚えがあります。自分でも滅多に買わないハードカバーを買って、しかも人にあげたのなんて後にも先にもこれ一冊です。あ、お題はイージスでしたね(>_<) (2005/03/12 17:33)
まゆ > ヤマトの世界に匹敵しますね!(なんて言ったら、双方のファンに怒られそうですが) 「ホワイトアウト」には私もかなりはまりました。同僚に勧めて、無理やり読ませたことも。あちらの方がとっつきやすいですよね。「イージス」は艦の構造とか、わかりにくいことも多くって・・・。でも、「熱さ」はこちらの方が上かな。 (2005/03/13 18:04)

2005年2月19日 (土)

6ステイン

750「6ステイン」福井晴敏   講談社   ★★★★

 防衛庁情報局。公には存在していないはずの機関で、「駒」として生きる人々。与えられた任務と、己の人間としての生き方と・・・多くの矛盾を抱えながら、彼らは今日も走りつづける。

 初・福井晴敏でございます~。いきなりこの短編集から読むのって無謀だったでしょうか。「イージス」も「ローレライ」も、すごく気になってるんですけど、あの長さに尻込みしてるのです。
 「6ステイン」は、図書館に新刊として入っていたので(なぜ今ごろ・・・)借りてみました。
 実は、福井作品についての予備知識、ほとんどないまま読み始めたので、第1話でいきなりクラクラしました。うわ~、こういう話って、15年くらい前の私なら大好きだったけど、今はしんどいなあ、と思って。
 でも、読みすすめるにつれて、どんどん引き込まれてしまったのでした。すごいです。人って極限状態におかれた時に本性が現れるけど、これはまさにその連続。そういう中での生きざまが鮮やかです。重いけど、暗いけど、絶望させない。
 一番好きなのは「媽媽」。由美子の日常のリアルさと、任務の非日常性がうまくミックスされていて。話の山場も幕切れも、お見事!って感じでした。続編の「断ち切る」もよかったなあ。
 予想外におもしろくて、すごい当たりをひいた気分。これは「イージス」読まなきゃダメでしょうかね。

butti > これ、予約中でまだ来ないんですよ~。福井作品、私は「イージス」を最初に読んだんですが、もうはまりました!鉄の塊の戦艦の話にこんなに熱くなる女って・・・って思いつつ(._.) (2005/02/20 10:42)
ココ > ぜひぜひ「イージス」読んでください~!そして「ローレライ」も。この短編の雰囲気が長編になるわけですから、かなり重く苦しいですけど、おもしろさもそれ以上なんです~。 (2005/02/20 15:12)
まゆ > buttiさん、「イージス」熱くなれるんですね!戦艦とかあんまり興味ないんですが、大丈夫でしょうか。仕事がひと段落したら借りてこようかな。 (2005/02/20 18:53)
まゆ > ココさんもおすすめなんですね!「6ステイン」の「920~」に出てきた彼って、「イージス」に出てくる人なんですよね?すごく読みたくなってきました。ところで、ココさん、体調は大丈夫ですか?私もこの冬は風邪で一週間寝込みました・・・。お大事にしてください。 (2005/02/20 18:55)
butti > まゆさん、私も戦艦とかの知識は全然(ヤマト程度!?)ないのですが、とにかく人間ドラマが熱くてよかったですよ~!実は私、「ローレライ」は未読なんです。早く読まなきゃ~。 (2005/02/20 20:49)
ココ > ありがとうございます~。どうも今回は頭痛の風邪で、本もテレビも辛い毎日です。「920~」の彼は「イージス」を読んでいると本当に感動モノの登場でした。まゆさんだったらぜったいはまると思っています。 (2005/02/21 19:48)
まゆ > buttiさん、ヤマト程度でも大丈夫ですか!(私は見事にヤマト世代~) ああ、だんだん読みたくなってきてしまいました・・・。 (2005/02/21 22:17)
まゆ > ココさん、私も一ヶ月前にひいた風邪は、とにかく具合悪くて、本も読めませんでした(漫画読んでたけど)。ああ、やっぱり「イージス」読んでからこれ読めばよかった・・・。自分でもはまるような予感がしてきました。今年の課題図書にしようっと。 (2005/02/21 22:19)

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