伊藤計劃

2011年2月28日 (月)

虐殺器官

1669「虐殺器官」伊藤計劃   ハヤカワ文庫   ★★★★

米軍大尉クラヴィス・シェパードは、暗殺部隊に属している。最新のテクノロジーに支えられ、次々と任務をこなす彼は、一人のターゲットを追いかけていた。各国の内乱・虐殺の影に必ずその存在を示す男ジョン・ポール。プラハで彼と接触したクラヴィスは、信じられない話を聞かされる・・・。

風邪で二日ほど寝込んでいました。ダウンする前に読み始め、具合が悪い中、とりつかれたように、でも細切れに読みましたが・・・それでも、じゅうぶんに衝撃を受けました。いや、細切れに読んでよかったかも。そうでなかったら、しばらくこの悪夢のような世界に取りつかれたかもしれません。

そもそもこの本に興味をもったのは、友人が「すごいものを読んでしまった」と言っていたからです。前知識がほとんどない状態で読み、最初の数ページでクラクラし、しばらく読んでようやくSF・近未来の話だと気付き(ハヤカワ文庫だという時点で気づくべき)、しかしどこまでが「未来」の話だと言えるのかとゾッとし・・・。殺伐した話なのに、妙に詩的で、ロマンティックで、そのくせ渇いていて・・・。要は、すっかりこの世界のとりこになっていたのでした。

読んでいる間は、悪夢を見ているような気分で、途中で頁を閉じてしまうと、ストーリーにつていくのがしんどくなるのですが、その後の展開が気になって、また悪夢のような世界に戻ってしまう。そういう自分が怖かったり。「虐殺器官」という設定は、とても恐ろしいものなのですが、もしかしたらそういうものは現実に存在するのかも・・・という気になります。

そもそも、この近未来の設定が、恐ろしいのです。何がって、本当にそうなる可能性がありそうなところが。絶対に、嫌だけれど。あってはならないけれど。絶対そうはならない、と断言できる人がどれだけいるのでしょう。

作者は残念ながら、亡くなったとのこと。残された作品はわずかですが、こうなったらぜひとも読まなくては・・・と思いました。

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