東川篤哉

2012年1月31日 (火)

もう誘拐なんてしない

1823「もう誘拐なんてしない」 東川篤哉   文藝春秋   ★★★

下関の大学生・翔太郎は、夏休みにたこ焼き屋のバイトを先輩・甲本に押しつけられる。あまりの売れなさに対岸の門司港まで遠征した翔太郎は、怪しげな二人組に追われている女子高生をかくまうはめに。彼女は、花園組の組長の娘・絵里香で、入院中の異父妹に会いに行きたいのだという。難しい手術が必要だという妹のために、翔太郎は狂言誘拐を思いつく。

いやはや。以前、新聞のインタビューで、「書きたいものを書き続けている」という趣旨のコメントを拝見しましたが・・・ほんとにそうですね。「館島」といい、これといい・・・誰って、作者が一番楽しんでいますよね(笑)

あまりにしょうもないギャグとか、翔太郎のヘタレっぷりとか(総じて、登場人物の男性陣は情けないのが多い)、花園組のダメダメさかげんとか、ひたすら漫画チックです。でも、ため息つきながら、つい読んでしまう。なんというか、ノスタルジーを感じてしまうのです。昭和の香りといいますか。

翔太郎たちが計画した狂言誘拐は思わぬ展開を見せ・・・。探偵役は、絵里香の姉・皐月になります。これまたなかなかいい性格してますが、作者はこの手の気の強い女性がお好みのようで(笑) 

クライマックスなんか、もうひたすら笑って読みましたが、一応、ミステリとしての骨格はしっかりしているのですよね。それをこれだけ軽く書けるというのもすごいですが。

ドラマ化されていましたが、どうだったのかな。ちゃんと舞台は下関だったのかしら。そうでないと、このトリックが成立しないと思うのですが・・・。

2011年12月25日 (日)

館島

1801「館島」 東川篤哉   創元推理文庫   ★★★★

瀬戸内海に浮かぶ横島に、岡山の天才建築家・十文字和臣が建てた奇妙な六角形の家。その家の中で、和臣が墜落死してから数か月。未亡人によって館に客が集められたとき、再び殺人が。館に滞在していた女探偵・小早川沙樹と刑事・相馬隆行は、謎を解き明かそうとするが。

「謎解き~」がイマイチだったので、あまり期待せずに読みましたが・・・おもしろかったです!一気読み!

読みながら何度も吹き出しそうになりました。沙樹と隆行のかけあい(?)が最高です。ユーモアミステリなんだけど、館ものにふさわしいトリックもあって、じゅうぶん楽しみました。東川ミステリのノリにだんだん慣れてきただけかもしれませんが(笑)

長編なのですが、テンポがよく、全然ダレません。お約束のように殺人事件が続けて起き、不可能犯罪にも思える事件に、美人探偵(ただし、お酒好き)と、どこか抜けてる若手刑事が挑み、さらに天然キャラの女の子が絡み・・・。エキセントリックなキャラが多くて、「おいおい・・・」という感じですが(実際、沙樹の登場シーンにはちょっと引きました)、物語の雰囲気に慣れてしまうと、それすらも楽しかったです。

犯人の「動機」にはちょっとビックリしましたが、まぁ、それはそれとして。

やっぱり、ほかの作品も読んでみようかなあと思います。

なお、「謎解きは~」を読んだ生徒たちに感想を聞いたら、「ドラマよりはおもしろかった」とのことでした。

2011年5月31日 (火)

ここに死体を捨てないでください!

1708「ここに死体を捨てないでください!」 東川篤哉   光文社   ★★★

いきなり家に飛び込んできた女を刺し殺してしまった・・・。妹の衝撃の告白を受け、その死体を始末しようとした有坂香織。死体を入れる物を探すついでになりゆきで巻き込んだ馬場鉄男と、死体を捨てに行くのだが・・・。私立探偵・鵜飼や、その助手・流平、砂川警部らまで巻き込んで、事態は思わぬ方向へ。

「謎解きはディナーのあとで」を読んだ時は、なんだかなぁ・・・と思いましたが、こういうテイストのミステリを書く人なんだとわかっていれば、それなりに楽しめました。しかし、これ、シリーズものなんですね。まあ、前の話を知らなくても、ついていけましたが。

一応、ミステリとしてはきちんと成立してるのでしょうが、登場人物がこれでもかと悪い状況へ事態を転がしていく過程がどうにもおかしくて(笑) やってることはバカバカしいのですが、ここまで徹底されると、もう笑ってしまうしかないのです。

しかし、「ありえねー」の連続なんですが、殺すための手段がそれってありなんでしょうか。ま、「あり」じゃないと成り立たないんですが。

今、本屋大賞のおかげで東川さんの本ってたくさん見かけるので、もう少し読んでみようかな、と思ってます。

2011年1月 6日 (木)

謎解きはディナーのあとで

1644「謎解きはディナーのあとで」東川篤哉   小学館   ★★★

「失礼ながら、お嬢様の目は節穴でいらっしゃいますか」・・・宝生グループの令嬢ながら、国立署に勤務する刑事である麗子。彼女が推理に行き詰まると、宝生家の執事・影山がその謎を解いてくれるのだ。とんでもない毒舌とともに。

新聞にもけっこう大きく広告が出ていたし、「書店員さんからも反響続々」という帯につられて、借りてきました。お嬢様刑事の麗子と、毒舌執事の影山のコンビが難事件に挑む短編連作ミステリです。

なんというか・・・期待しすぎたかなあ。それほどのめりこめませんでした。なんかもう、この設定自体が売れ筋を狙いすぎな気がして。まあ、ライトノベル的なものと思って読めばいいのかもしれません(決して、ラノベを馬鹿にしているわけではないですよ)。

執事影山のキャラはともかく、麗子がどうにもおさまりが悪いのです。キャラ設定が中途半端。もっとしっかりお嬢キャラにした方が、おもしろかった気がします。麗子の上司・風祭にいたっては、ギャグでしかないわけで・・・。ま、いいですけど。

事件そのものも、それほどトリッキーでもなく、なんだか懐かしい「昭和」の匂いがするような事件ばかり。昔、「小学○年生」の付録についてきた「あなたも名探偵」みたいな推理ゲームっぽいのです。と思ったら、作者、同年代でした。やっぱり・・・。

ま、軽い気持ちで楽しみながら読む分にはいいかもしれません。続編も作れそうですしね。

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