トロッコ・一塊の土
1814「トロッコ・一塊の土」 芥川龍之介 角川文庫 ★★★
良平は、鉄道工事で使っているトロッコに興味をもっていた。ある日、良平は思わぬなりゆきで、そのトロッコで、線路をはるか遠くまで乗っていくことができ・・・。
「トロッコ」「報恩記」「仙人」「庭」「一夕話」「六の宮の姫君」「魚河岸」「お富の貞操」「おぎん」「百合」「三つの宝」「雛」「猿蟹合戦」「二人小町」「おしの」「保吉の手帳から」「白」「子供の病気」「お時儀」「おばばばば」「一塊の土」・・・大正1年~12年の作品集。
ちょっと仕事がらみで「トロッコ」を読んだのですが、ついでにほかのもひととおり読んでみました。こうしてみると、けっこう未読のものがあります。自分では、芥川はもうちょっと読んでるつもりだったんですが。
この中で好きなのは、やっぱり「六の宮の姫君」です。この話は、その題材や展開が芥川らしいというだけでなく、何かしら物語好きな人間の心をくすぐるのです。
おもしろいのは、当時の書評が収録されていること。けっこう辛辣なことを書かれてたりします。最近のぬるい書評とは全然違う。書かれた方はつらいでしょうが、でも、だからこそ必死で書くのも事実だったのでは・・・なんて思ってしまいました。
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