怪盗の伴奏者
2659「怪盗の伴奏者」 三木笙子 創元推理文庫 ★★★
帝都を騒がせる大怪盗ロータスと、一連の事件の主任検事となった安西は、少年時代、無二の親友だった。敵対する二人が再び相まみえたとき、事件の結末は・・・。帝都探偵絵図シリーズ第4弾。
「君なら僕と同じ速さで走ることができる」・・・憧れてやまない相手からこう言われたら。どれほど誇らしく思うことだろう。そして、どこまでも共に走ろうと決意することだろう。
「伴走者」「反魂蝶」「怪盗の伴走者」の三話から成るこの物語は、そんな立場におかれた安西省吾検事が主人公。鬱屈した少年時代、省吾に唯一の光を与えてくれた蓮は、才気にあふれ、少年ながら末恐ろしい人物。二人は互いをパートナーと認め合うが、大人になった省吾は検事に、蓮は帝都を騒がす怪盗ロータスに。敵対する関係になった二人は・・・。
「伴走者」では二人の出会いを、「反魂蝶」は二人が協力して事件を解決した出来事を。そして「怪盗の伴走者」は、大人になった二人が描かれ、ここでようやく本来の探偵役・記者の高広と絵師の礼が登場します。敵対しなければならない省吾と蓮は、いったいどうするのか?
結末は、そうなるのか・・・という感じでしたが、二人の来し方を考えると、それもまた必然だったのかもしれません。それほどまでに、省吾をとらえた光は強かったのでしょう。
「伴走者」「
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