加門七海

2018年4月 6日 (金)

うわさの人物

2731「うわさの人物」 加門七海   集英社文庫   ★★★

霊能者と呼ばれる人たちには、いったいどのような世界が見えているのか。オカルト好きで、自身も数々の不思議な体験をしている筆者による、心霊及び神仏の世界に関わる方々へのインタビュー集。副題「神霊と生きる人々」。

「うわさの神仏」シリーズのうち、これだけ未読でした。なんかこう、ちょっと腰が引けてまして(苦笑) でも、やっぱり興味はあったので、とうとう手に取りました。

9人の霊能者に加門さんがインタビューをするのですが、実におもしろい。いや、「うわさの神仏」シリーズは、ちょっと軽めのノリで書かれているのですが、こちらは至って真面目。で、インタビューを受ける方々が、非常に地に足のついた方々ばかりなのです。自分の変な思い込みが粉砕されました。

神霊的なものを頭ごなしに否定するのも、逆に盲信するのも、どちらもなんだかなあ・・・と思うのです。でも、世の中がどんどん息苦しくなっていく昨今、もう少しいろんなものの在り様を認めた方が、生きやすくなるのではないでしょうか。そんなことを考えさせられました。

2017年12月19日 (火)

霊能動物館

2682「霊能動物館」 加門七海   集英社文庫   ★★★

狼、狐、狸・・・人間の生活と共にあって、「神」として祀られるもの、あるいは「怪」として恐れられるもの。さまざまな動物はなぜ「霊能動物」となったのか。

小学生のころ、「岩手のむかしばなし」「岩手の伝説」という本を繰り返し読んでいました。その中には動物がたくさん出てきます。馬、狐、狸、犬、猫、ねずみなどなど。鳥も登場したし、蛇やカエル、虫もいた。あるものは人に幸福をもたらし、あるものは災いをもたらす。なんにせよ、人の営みにはほかの生き物も欠かせないものだというのは、しっかり刷り込まれました。

そういう私にとっては、これはすんなり入り込める一冊。加門さんの体験や今までの知識を生かして、動物がどのような「霊能」をもっているのかを考察しています。

おもしろかったのは、「狼の部屋」「憑きものの部屋」「猫の部屋」。

本筋からは外れますが、宇多天皇って、「猫好きツンデレ天皇」だったんですか! 知りませんでしたー。暇だからと、飼い猫をやたらめったら褒め称える文章なんか書いちゃって。宇多天皇にとっても興味がわいてきました。

2017年5月16日 (火)

たてもの怪談

2580「たてもの怪談」 加門七海   エクスナレッジ   ★★★

家が欲しい・・・以前からそう思っていた筆者が、家を買い、そして何者かたちもすみつくまでの顛末を描いた「引越物語」をはじめとした、たてものにまつわる実話怪談集。

今年の四月に、新築一戸建てに引っ越した身としては、こういうのを読むのは微妙だなあと思いつつ、加門さんの実話怪談は好きなので、ついつい手を出してしまいました。

そうかあ・・・。住む人によって、寄ってきちゃうんですね。怖いなあ。

でも、一番怖かったのは、「道の話」。以前、ほかの本に収録された話の「その後」。ひええ、続きがあるんだ・・・。っていうか、今度こそこれで終わりになってほしいのですが。

いつもながら、加門さんの非常事態の妙な落ち着きっぷりというか、冷静な対応は、さすがでございます。

2016年10月29日 (土)

もののけ物語

2483「もののけ物語」 加門七海   角川文庫   ★★★★

なぜか買ってしまった「もの」たちは、なぜか不思議な体験をさせてくれて・・・。実録怪談エッセイ。

「もの」との不思議なご縁を感じる「もののけ物語」、怪にまつわる日常を記録した「怪談徒然日記」、主に旅先で遭遇した不思議譚「ほんとだよ」の3本立て。

加門さんの実話怪談は、そこにどっぷり浸ってしまわない、地に足の着いた感じが好きなので、見かけると買ってしまいます。でも、たいがい、発売当初は存在に気づかないんですよね。どうしてでしょう。これも、文庫化から2年以上たってます・・・。

今回は、「怪談徒然日記」が怖かったです。一つ一つは、ネタにならない程度の小さな話なんですが、数を重ねると、ねえ。でも、出てくる「もの」を蹴っ飛ばす加門さん、いいなあ(笑)

しかし、これを読んでいる間、なんだか寒くて寒くてしょうがなくて、読み終わったとたん、日が差してきて、体もポカポカしてきたのは・・・偶然ですよね、きっと。

2015年4月 8日 (水)

ぼくらは怪談巡礼団

2264「ぼくらは怪談巡礼団」 加門七海 東雅夫   KADOKAWA   ★★★

怪談雑誌「幽」の紀行企画をまとめたもの。東編集長が、土地にまつわる怪談や怪談文学の紹介を、加門さんが「印象記」を。ほかに、カメラマンMOTOKOさん、アシスタントUさん、編集Rさんの5名を主要メンバーとした怪談紀行。

石川・岐阜を舞台にした「鏡花の怪」から始まって、宮城、東京、神奈川、静岡、岩手、青森、新潟などなど。あちこちをけっこうな強行軍で旅して、それらしいスポットをめぐってくるという、自分だったら絶対に参加したくない企画です。

それにしても、どこに行っても何かと遭遇する加門さん、さすがです(苦笑)

泉鏡花をちょっと読みたくなってきました。「雨月物語」も。小川未明の「赤い蝋燭と人魚」もいいですね。

個人的に一番怖かったのは、最後の金沢の怪異譚でした・・・。

2014年11月25日 (火)

猫怪々

2200「猫怪々」 加門七海   集英社文庫   ★★★★

猫がやってきたら、ほかのものまでやってきた? 偶然拾った一匹の仔猫と、それにまつわる騒動を描いた育猫日記(ちょっとオカルト)。

猫好きにはたまらんでしょう(笑) というか、猫好きで猫を飼ったことがある人なら「ああ、わかるわかる」と思うことたくさんなはず。病気のこととか、避妊手術をどうするかとか、家がぼろぼろになることとか。

ただ、さすがは加門さん。猫とともに、いろんな不思議もやってきてしまう。ご本人が冷静に書いているので、こちらも変な怖がり方をせずに読めるのですが、読み終えてよくよく考えてみたら・・・怖い! ぜったい、そんな体験したくない。

じゅうぶん動物もの怪談実話、いけてますよ・・・。

ということで、猫好きな方、怖い話好きな方にはおすすめです。そうでない方は、やめといた方がいいかも(苦笑)

2014年8月16日 (土)

怪談を書く怪談

2164「怪談を書く怪談」 加門七海   メディアファクトリー   ★★★★

加門七海さんの実話怪談。

この方の書くものって本当に怖くて。どの体験をとってみても、私だったら二度と経験したくない!と思うものばかりなんですが。加門さんが変にオカルト通ぶらないで、「わからないものはわからない」と、地に足がついているので、安心して読めます。

しかし、いろんなものを人からもらってしまう体質(そんなのあるのか?)には、笑ってしまいました。

2012年6月 4日 (月)

うわさの神仏 其ノ三 江戸TOKYO陰陽百景

1872「うわさの神仏 其ノ三 江戸TOKYO陰陽百景」 加門七海   集英社文庫   ★★★

東京に数多ある神社・仏閣。有名なミステリー・スポットから、意外と知られていないパワー・スポット。たとえば、東京駅や新宿、池袋、秋葉原・・・。知っていそうで知らない東京の名スポットを紹介。

「うわさの神仏」シリーズ第3弾。遅ればせながら読みました。最初は神社・仏閣のルポみたいな感じで、肩の力を抜いて読めましたが、東京タワー、新宿南口あたりの話から、徐々に話が生々しくなってきて、ゾワゾワしてきました。

上野がかなりの心霊スポットなのは知っていましたが、東京駅も!?とか。渋谷が若者の町になったのは、ハチ公の銅像が動かされたのと無関係ではないとか・・・。さらにあの都庁の異様さについても。風水や陰陽道の考え方にのっとると、私たちの感じ方にも意味はあるのだ、というのが興味深かったです。今は都庁もだいぶ見慣れましたけど・・・初めて生で見た時は、怖くて正視できなかったです。

信心であれ、畏怖・恐怖であれ、根拠のないものってないんだなあ、と。そこで何かがあったからこそ、人の思いが集まる場になったのですね。

おもしろいと思ったのは、「木は気に敏感」だということ。強い気を感じる場所では、木は南向きではなく、その気の方に枝を伸ばすそうです。うーん。これからあちこちでチェックしてしまいそう・・・。

2012年1月11日 (水)

怪のはなし

1812「怪のはなし」 加門七海   集英社文庫   ★★★

「怪」をテーマにしている作家・加門七海が、自らの体験をつづった実話怪談集。

加門七海さんの本を読むのは、ものすごく久しぶり。「うわさの神仏」シリーズも好きでしたが、とにかくこの方の書くものは、怖い。というか、この方の体験することが、半端なく怖い。そのほとんどはなんだかよくわからない、「怖いモノ」との遭遇なんですが、理屈がわからないだけに怖いのです。

私は怖がりのくせにこういうのが好きで、ついつい読んで痛い目に遭うのです。最近はそういうのを避けてきたのですが・・・今回、書店でこの文庫を見かけた時、どうしても素通りできなかったのです。これはもう、読むしかないんだろうなあ、と(苦笑)

読みましたが、やっぱり怖かったです。怖いけれど、加門さんが変に霊能者みたいなことを言ったりやったりせず、普通に怖がったり、逆に冷静に(慣れているから)対応したりしてるので、単なる怖がらせの話とは違いました。

おもしろかったのは、増上寺で侍にナンパされたこと(笑) いや、笑いごとじゃないけど・・・笑っちゃいました。幽霊とデートって(笑)

一番怖かったのは、謎の神像の話。ここに書くのも怖いです。そういう異界みたいなところが、日常生活の中にポッカリ存在するのだと思うと・・・。。

沖縄の話も怖かったです。というか、その感じ、わかる気がします。私は沖縄は大好きですが、あの地がもっているパワーの強さというか、濃さは半端じゃない。いわゆる「聖地」と言われる場所は、下手に行くものじゃないと感じたものです(不用意に足を踏み込むと、そのパワーに負けてしまうから)。

とりあえず、興味がおありの方にはおすすめです。

2003年5月 1日 (木)

うわさの神仏

209「うわさの神仏」加門七海   集英社文庫   ★★★

ミーハー・オカルトオタクの作家・加門七海によるエッセイ第一弾。
 再読です。
 私はものすごい怖がりです。そのくせ、怪談は好きだし(現代の怪談集「新・耳袋」は全巻持っています)、神社仏閣は大好きでふらふらと近寄ってしまいます。で、痛い目を見て(つまり、怖い思いをして)、死ぬほど後悔するのです。
 そういう自分の姿と、加門さんはどこかしらだぶるものがあって、妙な親近感を感じてしまいます。最も、加門さんほど社寺に精通してませんし、知識ももってないですが。やばい領域についつい首をつっこんでしまうところが・・・。
 神仏とはまじめにつきあうべし、という主義の方にはおすすめしませんが、ちょっと興味のある方にはおすすめの笑える神仏エッセイです。

たばぞう > この本、文庫で買いました~。でも、残念ながら、私は中途で飽きちゃって、結局手放してしまいました。でも、心霊スポットというのでしょうか、そこを尋ねる旅はすごい怖かったです~!。 (2003/05/06 19:54)
まゆ > 神社仏閣オタクの私にはとってもおいしい本でしたが(笑)心霊スポットめぐりはまじめに怖かったです。ここには絶対行かないぞ!と決意を固めながら読んでました。 (2003/05/06 20:40)

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