岡本綺堂

2019年1月13日 (日)

怪獣 岡本綺堂読物集・七

2845「怪獣 岡本綺堂読物集・七」 岡本綺堂   中公文庫   ★★★★

鄙びた田舎の旅館の娘たちはなぜ変貌したのか。若い歌舞伎役者のもとを夜な夜な訪れる娘の正体は。動物や道具を媒介に、異界と交わるものを描いた怪異譚。

中公文庫の「岡本綺堂読物集」全七巻。これにて完結です。やっと読破しました。

今回は、十二の短編に、附録一編の計十三編を収録。いつもは読むのに苦労するのですが、珍しくすいすい読みました。

「半七捕物帖」にはまったのがきっかけで、このシリーズにも手を出してしまったのですが(こんなに長く続くとはしらなかった・・・)、岡本綺堂の紡ぐ怪異譚の世界の豊かさと素朴さにすっかり魅せられてしまいました。旧仮名遣いで書かれているのですが、この世界にはその表記がよく合います。

表紙や口絵の山本タカトさんの絵が、妖しくて美しくて、実にこの世界にフィットしているのですよねえ。いや、いいもの読みました。

2018年8月 8日 (水)

異妖新篇 岡本綺堂読物集・六

2781「異妖新篇 岡本綺堂読物集・六」 岡本綺堂   中公文庫   ★★★★

「娘が年頃になつたならば、おまへを婿にして遣るから。」・・・父親が戯れにした「約束」が一家を悲劇に陥れた。ふと異界に足を踏み入れてしまった人々を描く「近代異妖篇」の続編。

岡本綺堂にはまってもう何年になるのか・・・。読んでも読んでもおもしろいのだから、しょうがないです。前巻「今古探偵十話」は苦戦しましたが、今回はスルスルと読んでしまいました。

冒頭の「西瓜」にすっかりやられました。怖いし、気持ち悪い。でも、強烈な印象。口絵の印象もあるのでしょうが。

あとは、「くろん坊」「鰻に呪はれた男」といったあたりがおもしろかったです。

ネタそのものはそれほどオリジナリティを感じなくても、読ませるのはその語り口。怪談と言うのは、どう語るか(書くか)が大事・・・と、先日読んだ本で宮部みゆきさん・北村薫さんが語ってらっしゃいましたが、まさに。そういう意味で、綺堂は一級品です。

2016年12月10日 (土)

今古探偵十話 岡本綺堂読物集・五

2506「今古探偵十話 岡本綺堂読物集・五」 岡本綺堂   中公文庫   ★★★★

「ぬけ毛」「女侠伝」「蜘蛛の夢」「慈悲心鳥」「馬妖記」「山椒魚」「麻畑の一夜」「放し鰻」「雪女」「平造とお鶴」の十話。

シリーズ5巻目は、読み始めたものの、しばらく中断していました。ひところの岡本綺堂熱が冷めてきたといいますか(苦笑) でも、越年しちゃうのは嫌だったので、読み始めたら、すらすら読めてしまいました。やっぱりいいなあ、岡本綺堂。

「探偵」とありますが、いわば推理小説。とは言え、犯人がはっきりわからなかったり、動機がわからなかったりと、微妙な終わり方のものもありますが、それはそれで絶妙な味になっています。

江戸時代末期から明治・大正にかけての時代の色が見えてくるのが、なんともたまりません。旧仮名遣いも、物語の雰囲気を高めてくれます。

附録として「その女」「三国の大八」が収録されています。後者には、福島正則が登場して、思わず「おお!」となってしまった「真田丸」ファンでした(笑)

2014年11月17日 (月)

定本 半七捕物帳 第五巻

2197「定本 半七捕物帳 第五巻」 岡本綺堂   早川書房   ★★★★

神田の古本市で購入した「定本 半七捕物帳」も最終巻。もったいなくて少しずつ読んできましたが、とうとう読み終えてしまいました。

北村薫さん・宮部みゆきさんのアンソロジーで半七親分にすっかりはまってしまい、昭和31年刊行のこんな本まで・・・。でも、この本の良いところは、旧仮名遣いで表記されていること。半七親分の語り口に、合うのです、これが。

現代の科学捜査全盛の時代には考えられないことでしょうが、半七は「~のやうだ」という見当をつけるところからすべての捜査が始まります。お江戸のシャーロック・ホームズだけあって、彼の見込みはだいたいあたるのですが、たまに見込み違いのこともあったり。それも含めて、半七親分のかっこよさが堪能できるシリーズです。

古い本ですが、愛蔵版として何度も読み返したいものです。

2014年10月 4日 (土)

定本 半七捕物帳 第四巻

2179「定本 半七捕物帳 第四巻」 岡本綺堂   早川書房   ★★★★

江戸のシャーロック・ホームズ、半七親分の昔語りも4巻。

今回は、「大阪屋花鳥」という悪女が登場する話が印象的でした。ほかにも「かむろ蛇」なんかも独特の怖さがあって、好きです。「十五夜御用心」なんてのは、タイトルがしゃれてます。

けっこう一話一話読むのに時間がかかるのですが、この巻はおもしろい話が多くて、あっという間に読んでしまいました。

2014年9月23日 (火)

定本 半七捕物帳 第三巻

2176「定本 半七捕物帳 第三巻」 岡本綺堂   早川書房   ★★★★

ずっと読みかけてほっといたのを、久しぶりに開いてみました。読み始めると、止まらなくなるんですよね。やはり、「半七」はおもしろいです。

科学捜査なんてなかった時代なので、半七がこうとにらんだ筋を、地道に証明していくしかないのです。が、半七の読みが鋭いのと、探索をしていく過程が歯切れよく描かれているので、まったくあきることなく読めるのです。

考えてみれば、この全集を買ったのは、去年の神田古本まつりでした。もうじき1年たつのです。早いなあ。

2014年4月18日 (金)

定本 半七捕物帳 第二巻

2111「定本 半七捕物帳 第二巻」 岡本綺堂   早川書房   ★★★★

古本で購入した5冊セットの2巻目。

今回の圧巻は、冒頭の「津の国屋」と巻末の「あま酒売」。どちらも怪談仕立てのミステリで、その不気味さと謎解きのおもしろさがあいまって、実に印象深い物語になっています。

「江戸のシャーロック・ホームズ」半七親分の活躍は、まだまだ続きます。楽しみ、楽しみ。

2014年3月 7日 (金)

定本 半七捕物帳 第一巻

2100「定本 半七捕物帳 第一巻」 岡本綺堂   早川書房   ★★★★★

昭和30年刊行の5冊組の一。当時の定価380円。去年の秋、神保町の古本まつりで購入しました。状態はそれほどよくないのですが、「半七」をもっと読みたかったので、「これだ!」と(笑)

第1話「お文の魂」から始まって、「石灯籠」「勘平の死」等々。既読のものも多くありましたが、つれづれに一話ずつぼちぼち読むのには最適でした。しかも、本の古びた感じと、江戸を懐かしむ半七親分の風情がぴったりきて、贅沢な読書をしている気分でした。

2013年11月15日 (金)

探偵夜話 岡本綺堂読物集・四

2067「探偵夜話 岡本綺堂読物集・四」 岡本綺堂   中公文庫   ★★★★

「青蛙堂鬼談」のスピンアウトというべき、探偵物語集。

探偵物といっても、本格推理といった趣でなく、事件が起こって、その解決がある程度明らかになるもの・・・といった感じでしょうか。「青蛙堂」に集められた客人たちが、見聞きした「事件」とその顛末について語るという趣向です。

「半七」に惹かれて読み始めた岡本綺堂ですが、もうすっかりはまってしまいました。このシリーズは、まだ続くようで、楽しみ楽しみ。中公文庫の装丁もとっても妖しくて素敵です(笑)

実は、今月初め、神保町古本まつりにて、「定本 半七捕物帳」全5巻を手に入れました。今のとこ、本棚に飾ってあります。ふふふ。

2013年6月 9日 (日)

近代異妖篇 岡本綺堂読物集・三

2006「近代異妖篇 岡本綺堂読物集・三」 岡本綺堂   中公文庫   ★★★★

「青蛙堂鬼談」の拾遺集のような設定の奇談集。江戸から大正にかけての不思議な話、その中には綺堂自身が父親から聞いた話も収められていて、この手の話が好きな人には応えられません。

印象的だったのは、「水鬼」「影を踏まれた女」「鐘が淵」など。どの話も、「それはいったいなんだったのか」はよくわからないまま。その「わからない」というのが、奇妙にリアルなわけで・・・。

それから、このシリーズ、文庫ながら装幀が美しくて、うっとりしてしまいます。もっと続きが出ないものでしょうか。

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