こうの史代

2016年12月11日 (日)

この世界の片隅に

2507「この世界の片隅に」 こうの史代   双葉社   ★★★★★

映画化されたのを機に購入しました。

一読して、涙が止まらなくなってしまいました。悲しいとか感動したとか、そんな言葉で言い表せない。なんだかわからないけれど、泣けてくる。・・・そんな漫画でした。

主人公のすずは、18歳で広島・呉に嫁ぎます。ちょっとボーっとしたところのある、絵を描くのが好きな娘。戦争末期のなかで、ごくごく平凡な日常が描かれていきます。もちろん、ちょっとした事件はあって、夫の秘密を知ってしまったり、海軍に入った幼馴染が訪ねてきたり・・・。そして、すずも否応なく戦争の悲惨に直面させられます。

でも、だから泣けてくるわけではなくて。日々の暮らしを丁寧に生きている人々の姿。それが脅かされる理不尽に対する怒りというか。その中でも、肩肘張らずに生活していく姿への静かな共感というか。ああ、すずは私でもあるんだという、そんな思いがごっちゃごちゃになって、涙になってあふれ出たのでした。

ところどころに、すずの描いた漫画「鬼イチヤン」が挿入されているのですが、これにはすっかりやられました。泣いた原因の一つは、これです。まさかこんなふうにつながっていくとは思いもしませんでした。

2014年9月15日 (月)

荒神絵巻

2172「荒神絵巻」 こうの史代 絵と文  宮部みゆき 原作   朝日新聞出版   ★★★★★

新聞連載時の挿絵403点プラスαに、こうのさんの文章を添えた「もう一つの『荒神』の世界」。

「荒神」を読んだとき、あの挿絵がないのはもったいない・・・と思ったので、こういう企画は大賛成です。オールカラーだから見応えあるし。絵本ではなくて、絵物語。意外なほど読みごたえもあります。

そして・・・なるほど、これはこうのさんの「荒神」物語なのだなというのが、読み終えての感想です。基本的に同じ物語なのだけれど、宮部さんのとはどこか違う。あの長い物語のエッセンスだけを取り出したようでいて、それだけではない何かが残る。なんとも不思議な読書体験でした。

こうなると、二つを読み比べてみたくなってしまいますが・・・それは、時間があるときの楽しみにとっておくことにします。

2014年3月21日 (金)

ぼおるぺん古事記(全3巻)

2105「ぼおるぺん古事記(全3巻)」 こうの史代   平凡社   ★★★★

天の巻、地の巻、海の巻・・・遅ればせながら3巻読み終えました。

原典での神代編にあたる部分なのですが、断片的にしか読んだことがなかったので、けっこう新鮮な驚きがありました。「あ、この人(神様)、また出てきた」とか。

「古事記」も「日本書紀」も、それ自体には編纂した側の思惑が反映されていると思っていますが、それを超えてすさまじいイマジネーションの爆発というか・・・特に古事記での神々のむちゃくちゃぶりには、すがすがしさすら覚えるほど(笑)

それを漫画化したこの作品は、思わず拍手を贈りたくなるすばらしさです。

だいたい、これをボールペンで描ききるって、とんでもないことですよ・・・。こうのさん、すごすぎ。それでいて、読んでいて楽しいのです。特に、神々のビジュアルの意外性といったら。3巻では、岩長比売の姿にぶっとんでしまいました。そうきますか!(笑)

こうのさんは、続きもいつか描きたいとのこと。であれば、こちらも読まねばならないでしょう。楽しみに待つことにします。

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