北大路公子

2018年6月28日 (木)

すべて忘れて生きていく

2763「すべて忘れて生きていく」 北大路公子   PHP文芸文庫   ★★★★

脱力系の日常、相撲に対するあふれんばかりの愛、「北海道新聞」に連載した書評「呑んで読んで」、そして「奇談集」。公子さんらしさあふれるエッセイ集。

「今まであちこちに発表した原稿を一つにまとめませんか」と提案した編集Y氏。公子さんのいろんな文章を全てスクラップして保管している友人ハマユウさん。お二人に、心からの感謝を申し上げます! おかげさまで、こんなおもしろい本を読めました。本当にありがとうございます。

どの章もおもしろいのだけれど、たぶんこんな企画が成立しなければ、一生読めなかったであろう、「北海道新聞」連載の書評。へえ、公子さん、この本読んでるんだ~、こっちは未読だけどおもしろそう~、と、なんだかニマニマしながら読んでいました。公子さんの書評って押し付けがましくなくていいですね。

そして、「奇談集」! だから小説書いてって言ってるのに! 「まち」と「ともだち」の二編。日常からうっかり非日常の世界へ足を踏み入れてしまうあの感じが、とっても好きです! もっと読みたい!

去年の11月、盛岡でのトークショー&サイン会に参加。あれ以来、エッセイを読んでも、ツイッターを見ても、リアル公子さんのお姿を想像せずにはいられず・・・(笑) 公子さんは、小柄でかわいらしい感じの方でしたよ。

2017年7月27日 (木)

私のことはほっといてください

2611「私のことはほっといてください」 北大路公子   PHP文芸文庫   ★★★★

いつもながらの日常を送る公子さんの、爆笑&脱力エッセイ。

なんかもう、どこからつっこんでいいのかわからないんですけど、今回も公子さんは公子さんでした(笑)

お父様との数々のバトルに笑い転げ、「ドラえもんのラーメン」に眩暈をおぼえ、河童の話に「だーかーらー!公子さん、小説書いてよ!」と怒り・・・。そんなこんなで、私もいつもの通りに読み終えました。

どうして私は取り憑かれたように北大路公子を読むのだろう・・・と、ときどき思うのですが。同じようなネタなのに、全然退屈しないのですよね。公子さんの目の付け所と発想の飛躍、それを読者に伝える文章力というのは、並々ならぬものがあるなあ・・・と、宮下奈都さんの解説を読んで思いました(笑)

とりあえず、今年だけで3冊(だっけ?)も文庫が出てるんですが、こんなハイペースで大丈夫ですか?と、ちょっと心配になっている私です。

2017年6月27日 (火)

流されるにもホドがある

2596「流されるにもホドがある」 北大路公子   実業之日本社文庫   ★★★★

あの公子さんが、こともあろうに流行ハンターとして、世の流行モノに挑む!?という、無謀な設定のエッセイ集。

公子さんと流行・・・これだけミスマッチなものがあろうか。編集者が何を思ってこういう企画を通したのかわかりませんが、想像しただけで笑えるという意味においては、成功したのかもしれません。

私もたいがい流行モノには疎いですが、公子さんはその上を行ってます。参りました。こちらの予想の斜め上を行く展開には脱帽です。一番印象に残ったのは、フィギュアスケート観戦の際、公子さんが口走った、

「私、真央ちゃんに生まれなくてよかったわー」

という一言です。そりゃ、私がその場にいたら、振り返って二度見します。それくらい、インパクトがありました。

公子さんのエッセイを読んでると、肩肘張って生きるのが馬鹿らしくなります。いろんなことにこだわっているのが恥ずかしくなります。そして、楽になります。だから、私は公子さんのファンなのです。

2017年4月26日 (水)

晴れても雪でも

2568「晴れても雪でも」 北大路公子   集英社文庫   ★★★

「石の裏にも三年」の続編エッセイ。

ええっと、ぶれませんね、公子さん。あまりに変わらない日常の安定っぷりに、感動すら覚えました。(どれだけ変わってないか確かめるために、「石の裏にも三年」まで読み返してしまいました)

「さかの途中の家」を読んで、ちょっとうつ状態になったので、低いテンションでも読める本ということでチョイスしましたが、正解でした(笑) ダンゴ虫状態でも生きていけると自信が持てましたよ。

2016年11月 7日 (月)

苦手図鑑

2488「苦手図鑑」 北大路公子   角川文庫   ★★★

公子さんの「苦手」なものを集めたエッセイ集。

文庫の裏表紙の説明に

「読むとどうでもいい気分になって酒でも飲んで眠りたくなることうけあいの脱力系エッセイ集」

とありまして、至言だなあ、と。

いやもう、読んでると、マジすかこれ、そんなことがほんとに起こるんですか、絶対ネタでしょ、と言いたくなる様なこと連発なんですけど。でも、それが公子さんの日常なんですよね。

公子さんのまわりにおもしろいことがたくさんあるというより、観察眼に優れているんでしょうね。普通ならなんとなく見過ごしてることに引っかかってるんだろうなという気がします。

というわけで、今回も楽しませていただきました。解説が小路幸也さんというのも、お得感アップでした。

2016年7月23日 (土)

ぐうたら旅日記 恐山・知床をゆく

2455「ぐうたら旅日記 恐山・知床をゆく」 北大路公子   PHP文芸文庫   ★★★★

旅は嫌い、という公子さんによる旅日記。

もうその設定だけでダメでしょう(笑)という感じですが、全編これビールを飲みながら、恐山とか知床とか網走とかを旅した記録です。ウニ好きな私には、とっても魅力的な知床ツアーでしたが。

読んでいるうちに、だんだん脳みそが公子化していくというか、公子調の語り口になっていく自分が怖くなってきたり(苦笑)

おまけのように、不思議な三題噺による掌編小説5編も収録。どうすればこんなシュールな話を思いつけるんですか、公子さん。

この本を読まれる方は、「文庫版あとがき」のさらに後のページもお読みください。

2015年6月30日 (火)

石の裏にも三年

2317「石の裏にも三年」 北大路公子   集英社文庫   ★★★★

副題「キミコのダンゴ虫的日常」。

書店で、新刊本の棚に1冊だけひっそりたたずんでいたのを、ゲットしました。これを逃したら、いつお目にかかれるかわからないぞ、と。

相変わらず、キミコさんはすごいです。3年分の日記で印象に残っていることは、キミコさんが雪かきしているのと、飲酒しているのと、すごく嫌そうに仕事していることの3つ。ちなみにこれ、今までのエッセイとも基本的に変わりません。

それから、キミコさんのご両親も相変わらずすごいです。お年を召されてややパワーダウンかと思ったのが甘かったです。この親にしてこの子ありというのは、まさにこの家族のためにあるのではないか、と。

ご友人も相変わらず個性的な方ばかりだし、担当さんもなかなか大物が多い気がするのは、決して私の気のせいではないですよね。

というわけで、今回も笑わせていただきました。いいなあ、このゆるい世界。先日読んだ伊坂幸太郎のエッセイもよかったですが、これも捨てがたい。

ただ、この感想を打ってるあいだ、PCがやたら反応悪く、四苦八苦しているのは、何かの呪いじゃないですよね?(笑)

2014年12月30日 (火)

最後のおでん

2210「最後のおでん」 北大路公子   新潮文庫   ★★★

「ああ無情の泥酔日記」第2弾です。

この手の本を読むときに、絶対やってはいけないことの一つに、「人目のあるところで読む」があります。重々わかっているのですが、どうしても読みたくなって、混んだ新幹線の中で読んでしまったわけです。何度笑いをこらえたことか。というか、こらえきれず、口のあたりがニマニマしていたのが、きっと窓に映ってしまっていて、隣のお姉さんに不気味がられていたに違いない・・・。

公子さん39歳~40歳当時の日記ですが、相変わらず飲んだくれて財布を落としたり、公子さんに負けず劣らず強烈なキャラのご両親に翻弄されたり、公子さんの日常が描かれています。

それにしても、いきなり「友愛」について語りだす公子さんのお父様のキャラが、とっても好きです。私の父もけっこうすっとこどっこいな発言をかましますが、とうていかないません。

あ、そうそう。私は、おでんは練り物が好きです。

ちなみに、この本、3軒目の書店でようやく見つけました。

 1軒目・・・地元の小さな書店。まあ、なくてもしかたない。

 2軒目・・・大きな都市の駅ビルの書店。新刊コーナーになぜかこれだけない。

 3軒目・・・それなりに大きな都市の駅ビルの書店。新刊コーナーに5冊くらいあった。

なんか、この本の存在の微妙さを的確に表しているなあと思ってしまいました。

2014年5月 1日 (木)

枕もとに靴

2117「枕もとに靴」 北大路公子   新潮文庫   ★★★

サブタイトル「ああ無情の泥酔日記」。
文庫化されたの、知らずにいました。が、なぜか最近、「北大路公子、読みたいなあ」とふと思ったりして。そしたら、偶然発見。迷わず、手に取りましたよ。タイトルを見た旦那に、微妙な顔されましたけど。
書かれてから時間がたっているし、ほかのエッセイとかぶるネタもあったり・・・というか、恐ろしくお変わりなく過ごしてらっしゃるのだなあ、と感動(笑) ところどころ、創作といっていいのか、妄想といっていいのかわからないような記述があり、実はそれがけっこう好きでした。
しかし、これも人前で読めないですねえ。一人で笑う怪しい人間になってしまいます。それでも、続編も文庫化を希望します。

2013年8月12日 (月)

生きていてもいいかしら日記

2034「生きていてもいいかしら日記」 北大路公子   PHP文芸文庫   ★★★★

先に2冊目の「頭の中身が漏れ出る日々」を読んでしまいましたが、あまりにおもしろかったので、勇んでこちらも購入。・・・またしても、笑わせてもらいました。

ふと思ったのですが・・・「私は北大路公子になれるだろうか?」と。

彼女の日常を読んでいると、「なんか、いいなぁ、こういうの」と思っちゃうのですが・・・果たして、それができるか、と。 たぶん、できないですね。昼酒くらってのんべんだらりとしているようでも(失礼!)、実際、これだけおもしろいネタを回収できるって、すごいことです。人間、誰しも自分でも「うわ!」と思うような失敗とか、わが目を疑うような信じられないものを目撃しちゃったりとか、いろいろあるわけですが・・・意外とそれを軽く流してしまったりしていて。ましてや、それを文章で再構築して人を笑わせるなんて、簡単にできることではないわけで。やっぱりすごいなぁ、公子さん(というか、プロの作家なんだから当然です)。

それに、こんなに笑えるネタを自ら作る&遭遇するのって、やっぱり才能だと思うわけです。なかなかいませんよ、牛刀で刺されたことのある元彼いる人って(笑)

ちょっと落ち込んだときには、北大路公子。しばらく、定番になりそうです。

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