アンソロジー

2017年8月27日 (日)

猫が見ていた

2624「猫が見ていた」 湊かなえ・他   文春文庫   ★★★★

湊かなえ「マロンの話」、有栖川有栖「エア・キャット」、柚月裕子「泣く猫」、北村薫「『100万回生きたねこ』は絶望の書か」、井上荒野「凶暴な気分」、東山彰良「黒い白猫」、加納朋子「三べんまわってニャンと鳴く」の7つの短編に、澤田瞳子「オールタイム猫小説傑作選」を加えた、猫がテーマのアンソロジー。文庫オリジナル。

猫好きとしては食いつかずにはいられない企画です。しかも、執筆陣も私好み。

それぞれ「らしい」なと思う話でしたが、加納さんの「ソシャゲ」を題材にしたのはちょっと意外でした。北村さんのは「中野のお父さん」シリーズですね。

インパクトがあったのは、湊かなえさんの「マロンの話」。実話?という感じでしたが・・・。マロンが飼い猫になっていく過程が「あるある」で。

最近、猫飼いたい熱が高まっていて、ツイッターで人様の猫画像や猫動画に見入る日々です。いいなあ、猫。

2017年8月12日 (土)

文藝怪談実話

2619「文藝怪談実話」 東雅夫・編   ちくま文庫   ★★★★

「文豪怪談傑作選・特別篇」は、古今の文豪を中心に、各界の怪談「実話」を集めたアンソロジー。

ツイッターで見かけて、早速買いに走ったのですが・・・いや、おもしろかったです。

遠藤周作と三浦朱門が遭遇した怪異を、それぞれが記述した「幽霊見参記」からはじまって、明治・大正・昭和の作家や文化人たちの体験談がどっさり。いずれも、読み物としておもしろい、選りすぐりの作品集になっています。

印象的だったのは、田中河内介にまつわる話。私はこの話、初めて知ったのですが。元の話そのものはそれほど怖くないのに、さまざまな偶然が絡み合って、なにやら因縁を感じずにはいられないところが・・・。

怪談好きな方にはおすすめの一冊。

2017年8月 8日 (火)

毒殺協奏曲

2618「毒殺協奏曲」 アミの会(仮)   原書房   ★★★★

「毒殺」がテーマのアンソロジー。

永嶋恵美「伴奏者」、柴田よしき「猫は毒殺に関与しない」、新津きよみ「罪を認めてください」、有栖川有栖「劇的な幕切れ」、松村比呂美「ナザル」、小林泰三「吹雪の朝」、篠田真由美「完璧な蒐集」、光原百合「三人の女の物語」

殺害方法が指定された状態で、どういうミステリを書くか、それぞれの作家さんのお手並み拝見・・・という感じですが、さすがにみなさんお見事です。いずれも読み応えのある作品ばかり。

こういうテーマを決めたアンソロジーだと、それぞれの特徴が顕著になって、それはまたおもしろいものです。

アミの会(仮)では、こういう試みを続けていくとのこと。これからも読みたいものです。

2017年5月 4日 (木)

アンソロジー 隠す

2573「アンソロジー 隠す」 アミの会(仮)   文藝春秋   ★★★★

「隠す」をテーマにした、11人の女性作家によるミステリ・アンソロジー。

大崎梢・加納朋子・近藤史恵・篠田真由美・柴田よしき・永嶋恵美・新津きよみ・福田和代・松尾由美・松村比呂美・光原百合の11名の12編。

読み応えありました~。アンソロジーだし、少しずつ読もうと思っていたのに、冒頭の柴田よしき「理由(わけ)」がおもしろくて、そこから一気読みでした。

「隠す」というテーマでも、いろんな「隠し方」があって、おお!今度はこう来たか~なんて、それぞれの趣向を楽しみました。

印象的だったのは、永嶋恵美「自宅警備員の憂鬱」、近藤史恵「甘い生活」。加納朋子「少年少女秘密基地」は、あの作品のスピンオフで、それも楽しかったです。

それにしても、この「アミの会(仮)」のアンソロジー、すでに3冊目なんですね。知らなかった・・・。前の2冊も探してみなくては。

2017年4月10日 (月)

みんなの怪盗ルパン

2559「みんなの怪盗ルパン」 小林泰三・他   ポプラ社   ★★★

小林泰三「最初の角逐」、近藤史恵「青い猫目石」、藤野恵美「ありし日の少年ルパン」、真山仁「ルパンの正義」、湊かなえ「仏蘭西紳士」の5編を収録した、「怪盗ルパン」オマーシュ・アンソロジー。

小学生の頃、ルパンものを読み漁ったものでした。なつかしい・・・。その記憶がよみがえってくるような5つの作品。

私にとってのルパンのイメージはやはり「怪盗紳士」で、そういった意味では、湊さんの「仏蘭西紳士」が一番好みでした(もっとも、この物語では、ルパンは探偵役ですが)。それから、近藤さんの「青い猫目石」も、ルパンもののテイストが横溢していて、好きでした。

ルパンとホームズどっちが好きかというのは、昔から論争があるようですが、私はかつて断然ルパン派でした。その後、ホームズもののおもしろさにはまりましたが、最近はどちらも読んでいませんねえ。

2016年12月28日 (水)

吾輩も猫である

2517「吾輩も猫である」 赤川次郎・他   新潮文庫   ★★★

8人の猫好き作家が、漱石に挑む!?アンソロジー。

赤川次郎「いつか、猫になった日」、新井素子「妾は、猫で御座います」、石田衣良「ココアとスミレ」、荻原浩「吾輩は猫であるけれど」、恩田陸「惻隠」、原田マハ「飛梅」、村山由佳「猫の神さま」、山内マリコ「彼女との、最初の一年」

いずれも猫の視点から人間たちを見た物語。荻原さんの漫画には驚きましたが。

お気に入りは、恩田陸と原田マハかな。

さくさく読めるので、すき間時間にちょこっと読むのに適してそうです。

2016年11月17日 (木)

X’mas Stories

2493「X’mas Stories」 朝井リョウほか   新潮文庫   ★★★★

副題「一年でいちばん奇跡が起きる日」

朝井リョウ「逆算」  あさのあつこ「きみに伝えたくて」  伊坂幸太郎「一人では無理がある」  恩田陸「柊と太陽」  白河三兎「子の心、サンタ知らず」  三浦しをん「荒野の果てに」

なんですか、この豪華なラインナップは! 買うに決まってるでしょ!

アンソロジーでこれだけ自分の好みの作家さんがそろっていることは珍しいです。そして、それぞれの良さがこれだけ存分に味わえるのも珍しいです。クリスマスを題材にしてても、それぞれ、とっても「らしい」作品になっています。

伊坂さんのは既読でしたが、この話、妙に印象に残るんですよねえ。鉄板ネタ(読んだ人だけわかってください)。

恩田さんのはそうきたか~、と。ある意味「え?」という感じなんですが、いかにも恩田さんらしい。うん、恩田さんならこういうの書くよねえ、と納得。

一番感動したのは、しをんさんのでした。お侍が現代にタイムスリップするというSFなんですが・・・。このネタで、ここまで感動させるあたり、さすがしをんさんだなあ。

いやいや、幸福な読書タイムでございました。

2016年5月 4日 (水)

不条理な殺人

2428「不条理な殺人」 法月綸太郎・山口雅也・他   祥伝社文庫   ★★★★

平成10年に刊行された文庫が、復活。当時としても豪華メンバーですが、今見ると、ますますすごいラインナップです。

山口雅也「モルグ氏の素晴らしきクリスマス・イヴ」、有栖川有栖「暗号を撒く男」、加納朋子「ダックスフントの憂鬱」、西澤保彦「見知らぬ督促状の問題」、恩田陸「給水塔」、倉知淳「眠り猫、眠れ」、若竹七海「泥棒稼業」、近藤史恵「かぐわしい殺人」、柴田よしき@切り取られた笑顔」、法月綸太郎「トゥ・オブ・アス」

10人の人気作家による、10編のミステリ。読み切りあり、その作家おなじみの探偵の登場あり、既読の作品もありましたが、とにかく楽しませてもらいました。

個人的には、女性作家の作品がお気に入りでした。好きな作家さんばかり並んでるものなあ。

2015年4月22日 (水)

みんなの少年探偵団

2273「みんなの少年探偵団」 万城目学・他   ポプラ社   ★★★

江戸川乱歩生誕120年記念プロジェクト第一弾。

万城目学「永遠」、湊かなえ「少女探偵団」、小路幸也「東京の探偵たち」、向井湘吾「指数意犬」、藤谷治「解散二十面相」の5編。

このプロジェクトでは、小路幸也「少年探偵」、藤谷治「全員少年探偵団」と読んできました。少年探偵団ものって、それを読んでる子供たちが、自分もそこに参加している気分になれるのが、とっても楽しかったのでしょうね。ということを、つくづく感じました。

このアンソロジーでも、それぞれが少年探偵団、あるいは怪人二十面相をアレンジしていて、それぞれの味わいがおもしろかったです。個人的には、万城目さんの「永遠」が好みだったかな。

本編を読んだことがないのですが、それでも楽しめるところが素敵です。

2015年4月15日 (水)

サイドストーリーズ

2268「サイドストーリーズ」 ダ・ヴィンチ編集部/編   角川文庫   ★★★

人気作品のサイドストーリーだけを集めたアンソロジー。

中田永一、貴志祐介、宮木あや子、東直己、垣根涼介、狗飼恭子、中山七里、笹本稜平、冲方丁、誉田哲也、貫井徳郎、三浦しをん。

「ストロベリーナイト」から「落としの玲子」、「まほろ駅前多田便利軒」から「多田便利軒、探偵業に挑戦する」があったので、読むことに。どちらもよかったです。

やっぱり、読んだことのある作品のサイドストーリーだと、思い入れがあるので、楽しめました。(「百瀬、こっちを向いて」「さよならドビュッシー」「天地明察」など)

読んでみたいと思ったのは、笹本稜平「春を背負って」です。

どの作品にもやたらタバコが出てくるなあと思ったら、JTの企画ページだったのですね。

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