磯田道史

2018年1月 1日 (月)

日本史の内幕

2688「日本史の内幕」 磯田道史   中公新書   ★★★★

古文書の達人・磯田先生が教えてくれる「歴史のウラ側」。第一次資料にあたるからこそ見えてくる「歴史」とは。

あけましておめでとうございます。2018年はこの本でスタートしました。

副題「戦国女性の素顔から幕末近代の謎まで」とある通り、磯田先生が教科書には載らないいろんな話を惜しみもなく披露してくれています。とっても読みやすいし、きちんと根拠のある話なので、実に説得力がある。そして、「歴史を学ぶ意味」を実にわかりやすく説明してくれています。

私は子どものころから日本史に興味がありました。が、その興味の大半は、いわゆる「歴史上の人物」に占められていて、彼らの「英雄」ぶりに関心があったことは否定できません。それが、徐々に彼らの「成し遂げたこと」よりも、「成し遂げられなかったこと」が気になるようになり、彼らはどんな「人間」だったのかに興味をもち・・・そうこうしているうちに、「歴史に名を残さなかった人たち」、そんな彼らの暮らしはどうなっていたのかが気になるようになり・・・。で、今に至ります。

どの時代においても、どんな人も、先のことはわからず、ただ必死に生きていたわけで。そんな人たちが残した「記録」だからこそ、私たちには意味があるのです。そんなことを考えるようになってきた今だからこそ、この本を読んで、もう何度も首がもげるほど頷きました。

今、テレビでもいろんな歴史番組があって、いろんな歴史学者さんの発言が素人でも聞けるようになっています(磯田さんもその一人)。特にも、柔軟な発想で歴史を説いてくれる若い学者さんたちの言には、私たちの思い込みを打ち砕くものもあります。この本もそうです。歴史に詳しくない方にこそ、読んでほしい一冊です。

2016年7月24日 (日)

殿様の通信簿

2456「殿様の通信簿」 磯田道史   新潮文庫   ★★★★

元禄時代の古文書に記載された大名たちの記録。そこに描かれた、「殿様」の姿とは。

「真田丸」にはまって半年あまり。なんとなく、こういう類の本に反応してしまう今日この頃。

磯田さんの本を読むのは、3冊目かな? 史料をもとにして、わかりやすく解説してくれるので、安心して読めます。

前半は、徳川光圀や浅野内匠頭、前田利家など、有名どころの大名たちの実態が中心。

後半は、加賀百万石の大大名となった前田利常や、伏見城攻防戦で戦死した内藤家長など、戦国と江戸時代の狭間を生きた大名たちの話。

記号化されてきた大名たちの「人間」としての姿が、生き生きと描かれていて、非常に興味深かったです。まだまだ知らないことがいっぱいあるなあ。

2015年11月25日 (水)

歴史の愉しみ方

2379「歴史の愉しみ方」 磯田道史   中公新書         ★★★

副題「忍者・合戦・幕末史に学ぶ」

「天災で日本史を読みなおす」の著者による歴史案内。古文書に精通した方なので、説得力があります。

忍者にはあまり興味がないので、そのへんは読み流してしまいましたが、それ以外はおもしろかったです。

やはり、災害を想定して、いろんなものを見直さなければならないのでさないかというのは、考えさせられました。私たちはあの震災から何を学んだのでしょうか。

2014年11月29日 (土)

天災から日本史を読みなおす

2201「天災から日本史を読みなおす」 磯田道史   中公新書   ★★★

秀吉を襲った二つの地震が、その後の歴史を変えた。幕末の佐賀藩が経験した巨大台風が、藩の軍事力向上に大きく影響した。災害史をひもとくことで、現代の私たちが生きのびるためにどうすればよいかを考えさせる。

副題「先人に学ぶ防災」。

東日本大震災の際に、「貞観津波」などというのを聞いて、ちょっと驚いたのです。そんな昔にも大津波があったのか、と。考えてみればあたりまえで、自然災害はそれぞれの土地で何度も繰り返されてきたはずなのです。でも、それを知らないということに愕然としたのでした。

うちの母は、「昔の人の言うことをおろそかにしてはいけない」という考えの持ち主で、私もそれには賛同しますが、「昔の人の言うこと」を知らなければどうにもならないわけで。もう少し、知る努力をしなければと思っていたところに、これはなかなかとっつきやすい本でした。

地震、津波、高潮。台風、土砂崩れ、噴火などなど。日本各地が経験してきた災害について、古文書や経験者の証言をもとに、わかりやすく解説されています。筆者は静岡在住なので、南海トラフ地震を想定しての話や、筆者の身内が経験した津波の話など、説得力のある説明に深くうなずきました。

災害に関しては、近い歴史のことしか知られていませんが、もっと古い時代のことも知っておくべきだと痛感。そうすれば、「なぜここにこれがあるのか」「なぜここに人が住んでいなかったのか」が確実にわかります。研究されているかたは、ぜひとも一般向けにも情報提供していただきたいものです。津波のときに、先に避難する人は「津波だ!逃げろ!」と声に出していくことが大事、というのがありました。それを聞いた人たちも、後に続くからです。今までの研究されてきた内容が広く世に知られるようになるのは、それと同じ効果があると思うのです。

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