小川糸

2018年1月 8日 (月)

キラキラ共和国

2692「キラキラ共和国」 小川糸   幻冬舎   ★★★★

鎌倉で文房具店兼代書屋を営む鳩子は、ミツローさんと結婚し、QPちゃんの母になった。自分を育ててくれた祖母との仲をこじらせてしまったまま祖母を亡くした鳩子は、新しい「家族」との生活にとまどいながら、ゆっくり前へ進んでいく。

「ツバキ文具店」の続編です。あちらは、鳩子とミツローさんが出会って、互いに惹かれあうまでで終っていましたが、今回は結婚したところからスタートです。

もちろん、相変わらず「ツバキ文具店」には一筋縄ではいかない代書の依頼が来て、鳩子は一生懸命それと向き合います。同時に、家族が増えたことで、自然に鳩子にも変化が・・・。

人間ひとりではどうにもできないことがあって、他人との関わりの中で、自然に物事が動いていくことがあります。鳩子にとっても、ミツローさんにとっても、そういう時期だったのだろうな、と。いろんな場面でほろりほろりと泣いてしまって、目を真っ赤にして読み終えました(苦笑)

正直、「キラキラ共和国」って題名はどうよ?と思っていたのですが、読み終えると「これしかないよね」と思えました。「ツバキ文具店」を読んだ方は、ぜひどうぞ。

2017年4月22日 (土)

ツバキ文具店

2566「ツバキ文具店」 小川糸   幻冬舎   ★★★★

鎌倉にある小さな文具店の店主・雨宮鳩子。先代である祖母から受け継いだのは、文具店と代書屋の仕事。今日も、鳩子のもとには思いを抱えた依頼人がやってくる。

ああ、私のまわりにもこういう代書屋さんがいないかな~・・・などと思いながら読んでいました。書くことは嫌いではないのですが、字が汚いもので・・・。

それはさておき、本屋大賞候補作も納得の、すてきな物語でした。

鎌倉の季節の移り変わりを背景に、一風変わった代書の依頼を通して、人と人との関わりが描かれていきます。主人公の鳩子も先代(祖母)との確執があり、どうしようもない後悔を抱えているのですが、徐々にわだかまりは消えていきます。それは、先代が道をつけてくれた代書屋という生き方が、鳩子を導いてくれたかのようで。

鳩子に書を仕込んだ先代の教育は、とてもとても厳しく、鳩子はそれに反発するのですが、先代は自分にできる精一杯のことをしてくれたんだろうな。口先できれいごとを唱えるのではなく、自分がもっている全てを、孫に受け渡すような。鳩子が生きていけるように。それが本当に鳩子に伝わったとき、鳩子は本当の「自分の字」を書けたんでしょうねえ。

派手さはないけれど、しみじみ、いい話でした。

2012年12月23日 (日)

つるかめ助産院

1952「つるかめ助産院」 小川糸   集英社   ★★★★

突然姿を消してしまった夫に会える気がして、かつて一緒に訪れた南の島にやってきたまりあ。そこで、「つるかめ助産院」の鶴田亀子院長に出会い、思いがけなく妊娠していることを知る。困惑するまりあだが、助産院の人たちや島の住人たちに支えられ、産むことを決意する。

小川糸さん、初めてです。するすると体の中に入ってくるような読みやすい文章で、あっという間に読み終えてしまいました。

まりあをはじめ、先生も、パクチー嬢も、ほかの人たちも、何かしら痛みを抱えていて、そういう人たちが関わり合う中で、化学反応を起こすように互いが変わっていく・・・そんな話でした。

私は出産を経験したことがないのでわかりませんが、こんなにこんなに痛くて苦しいのか・・・と、改めて驚きました。人ではなく、けものになっちゃうという表現が、ものすごい説得力で。本当に、「育む人」になるということは、全く違う世界を知ることでもあるんだなあ、と。自分の母をはじめ、世の中の「母親」みんなを尊敬せずにはいられません。

ただ・・・「小野寺くん」は、いったいどこで何をしていたのでしょうね。そのことだけがちょっと気になりました。彼の登場が唐突だったので。

この手の話はしばらく避けていたのですが、この話は妙に心にしみました。特に、先生が語る何気ない言葉が、じわじわと。この本を読めてよかったです。

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