青崎有吾

2016年4月 9日 (土)

図書館の殺人

2422「図書館の殺人」 青崎有吾   東京創元社   ★★★★

風ヶ丘の図書館で、「人間臨終図鑑」で頭を殴られて、人が殺された。アドバイザーとして呼ばれた裏染天馬だったが、意外にも捜査は難航。期末テスト期間中の袴田柚乃も、いつも通りなぜか事件に巻き込まれ・・・。

シリーズ4作目。

なんというか、だんだん読みやすくなってきている気がします。文章が練れてきたのか、私が慣れてきたのか(笑)

体育館、水族館ときて、図書館。今回は、本にまつわる殺人事件です。ダイイング・メッセージもあったりして、いかにもな本格もの。そして、探偵役の裏染天馬は、いつも通りのダメ人間っぷりを発揮しながら活躍しています。

今回、風ヶ丘高校はテスト期間中。本筋からは外れるけれど、2年生の景品をかけた順位争い(おいおい・・・)や、天馬と八橋千鶴とのバトルもあったりして、なかなか楽しかったです。

さて、事件は、けっこう意外な展開でした。いつもなら、トリックは解明できなくても犯人は当たるんですが、今回はわかりませんでした・・・。やられた。

そして、天馬の過去に何があったのか、気になりますねえ。

2015年10月12日 (月)

風ヶ丘五十円玉祭りの謎

2367「風ヶ丘五十円玉祭りの謎」 青崎有吾   東京創元社   ★★★★

祭りの屋台でおつりに使われる小銭がすべて五十円玉!? いったいなぜそんなことに。誰が何をたくらんでいるのか。学校に住み着いている駄目人間で変人・裏染天馬が巻き込まれた「日常の謎」。

「体育館の殺人」「水族館の殺人」ときて、今度は日常の謎です。

「もう一色選べる丼」「風ヶ丘五十円玉祭りの謎」「針宮理恵子のサードインパクト」「天使たちの残暑見舞い」「その花瓶にご注意を」の5編の連作に、おまけ「世界一居心地の悪いサウナ」がついた連作短編集。

天馬がふらふらしていて、事件に巻き込まれ、無理やり謎解きをさせられるはめになる・・・というのが主なパターンなのですが、もちろんそこは天馬のこと。しっかり報酬は手に入れています。(もっとも、一編だけ、ずいぶん気の利いたことをしてくれますが)

純粋に謎として興味深かったのは、表題作。なぜ、五十円玉を使わせるのか。そこに何のメリットがあるのか。天馬の推理が冴えます。たしかに、必要な手掛かりは全部提示されていました。

異色なのは、天馬の妹・鏡華が探偵役の「その花瓶にご注意を」。まだ中学生の鏡華ですが、兄顔負けの推理を展開します。というか、天馬や柚乃たちといるときと、ずいぶんキャラが違うじゃないの!  

どうやら次は図書館で事件が起こるようです。裏染天馬の家族関係も徐々に明かされてきたし・・・「平成のエラリー・クイーン」の次作に期待しています。

2015年10月 3日 (土)

水族館の殺人

2362「水族館の殺人」 青崎有吾   東京創元社   ★★★

夏休みも中盤。風ヶ丘高校新聞部の面々は、市内の水族館の取材へ。そこで飼育員がサメに食われる現場を目撃してしまう。容疑者は水族館の職員たち。ところが、全員にアリバイが。困った警察は、駄目人間にして名探偵(?)の裏染天馬を呼び出すが・・・。

「体育館の殺人」を読んでからだいぶ経ってしまいました。ついつい後回しにしていたのを、ようやく読みました。学校に住み着く(オペラ座の怪人か!)、アニメおたくにして駄目人間、そして名探偵の裏染天馬、再び登場です。

作者は「平成のエラリー・クイーン」だそうですが、この科学万能で、妙なリアリズムを礼賛する現代を舞台に、こういう推理小説を書こうという意気込みがすごいです。もう、今や推理小説において名探偵なんて過去の遺物になりつつありますもんねえ・・・。でも、天馬が容疑者を集めて「さて」なんて始めると、わくわくしてしまうのです。

正直言って、文章表現についてはつっこみたいところはたくさんあるのですが。若気の至りだよなあと思うような展開もあって、こっちが恥ずかしくなったりもしましたが。でも、こういう推理小説はなくなってほしくないなあと思うわけです。

とにかくひたすらロジカルに事件を解き明かしていく天馬の推理をお楽しみください。

2013年6月18日 (火)

体育館の殺人

2008「体育館の殺人」 青崎有吾   東京創元社   ★★★

第22回(2012年)鮎川哲也賞受賞作。

「館シリーズ」をほうふつとさせる題名ですが、その通り、校舎の端にある旧体育館で、男子生徒が刺殺された事件。そして、その体育館は密室だった、という設定。クイーンに傾倒する作者が、「論理」で謎を突破するために編み出したのは、頭脳明晰だけど超アニメオタクの駄目人間・裏染天馬。学校の部室に住み着いているという変人が、探偵として活躍するのですが・・・。

本格ものは嫌いじゃないですが、クイーンもそれほど読んでいないので、あまり偉そうなことは言えません。でもまあ、それなりにおもしろかったです。大きな事件なのだけど、細かいところから詰めて謎をといていく過程は楽しめました。

しかし、けっこう雑な気も・・・。うーん、これがデビュー作なのでしょうがないのかな、と思いましたが、やはり選評を読むと、審査員の方もいろいろ思うところはあったようで。ただ、作者が本当に書きたいものを一生懸命、楽しみつつ書いているのが伝わってくる作品なのはたしかです。

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