1892「先生と僕~夏目漱石を囲む人々~①~③」 香日ゆら メディアファクトリー ★★★★★
文豪・夏目漱石を「先生」と慕う門人たち。また、文学とは無関係な親友たち。資料に残された彼らとの交流を通して、漱石の日常を描き出す、4コマ漫画。
昨日からずっとこれを読み続けていました。今のところ、出ているのは3巻までかな。まだまだ続きそうです。
夏目漱石というのは、かなり変な人だったらしい・・・というのは、漫画「坊っちゃんの時代」を読んで以来わかったことなのですが。このコミックを読んで、その認識を新たにしました。漱石も変だけど、そこに集まる人たちも、どこか変。特に門下生(と呼ばれた人)たち。どうしてそんなに漱石先生が好きなのかしら・・・。2巻の帯で、三浦しをんさんが
「漱石先生の友人、弟子のみなさーん。先生のこと、ちょっと好きすぎやしませんかー!」
と、叫んでいますが、まさにその通り。彼らの「漱石愛」はすさまじすぎます。特に、小宮豊隆と鈴木三重吉。さらに、寺田寅彦。
それから、正岡子規との交流も。基本、「受け身」な漱石が、子規に心を許そうとしたものの空振りになり、イジイジすねてるさまは爆笑ものでした。それに慌てる子規もまた(笑)
なんというか、漱石って「かわいい」んですよね。作品に惹かれてではなく、人柄に惹かれて集まってくるというの、わかる気がします。でも、「先生に一番かわいがられているのは僕」とか、「ほかの人たちには先生は渡さない」っていうのはどうかと思うんですが。どれだけ愛されているのやら、漱石先生。
これ、ところどころに漱石の手紙やら、門下生たちの随筆やらが掲載されていて、それを読めるのも楽しいです。漱石が芥川龍之介と久米正雄に宛てた手紙には、ちょっと泣きそうになってしまいました。その後の芥川の運命を知っているだけに。
しかし、私は漱石をあんまり読んでいないのですよねえ。「吾輩は猫である」も中学生の時に挫折したきりだしなあ。読んでみようかなあ。
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