虚空の旅人
「虚空の旅人」上橋菜穂子 新潮文庫 ★★★★
初読の感想は 591「虚空の旅人」
先日、「バルサの食卓」と一緒に「神の守り人」文庫版も購入したのですが、考えてみたらこっちを読んでませんでした。というわけで、「守り人」シリーズのチャグムサイドの物語へ。
もう、この壮大な物語の行きつく先を知っているので、チャグムが他国と初めて関わるこの物語を読んでいると、なんとも言えない気持ちになります。あとがきで上橋さんが書かれているとおり、「全十巻への舵を切った物語」ですね。なんというか・・・感無量でした。
チャグムが、その魂の熱さと純粋さゆえに苦しみ、でもその苦しみを抱えて王となる道を歩もうと決心するさまは、本当に胸が熱くなりました。その決意のもとになったのは、チャグム自身の生まれもった性質はもちろんですが、命がけで自分を守ってくれたバルサとの出会いが影響しているのです。
バルサは、チャグムを守ることで、自分が浄化されたような経験をしているのですが、チャグムにとっても、その後の生き方を左右するような経験だったわけで・・・。人と人との出会い・関わりのもつ意味というものを考えさせられました。
同時に、チャグムとシュガの絆も。それゆえ、二人はこの後、非常な苦悩を経験するわけですが・・・。
今回舞台になったサンガル王国は、今までの新ヨゴ皇国やカンバルとは全く違う海の国。そのきらびやかな雰囲気や開放的な空気は、この季節に読むのにピッタリでした。また、サンガルの王家の女たちのコミュニティは、私にとってなかなか魅力的でした。でも、こんな頭の切れる奥さんたちをもらったら、旦那さんは大変ですね(苦笑)
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