猫と針
1311「猫と針」恩田陸 新潮社 ★★★★
人はその場にいない人の話をする…葬式帰りに集まった学生時代の五人の仲間。それぞれに事情を抱えているらしい彼らは、互いの身の上に憶測を巡らし…。
恩田陸・初戯曲!
いつか書くだろうと確信してました。恩田さんの芝居好きは有名だし、もともと閉鎖された時空間の物語が多い恩田作品は、舞台向きだと思っていたので。さらに、「チョコレートコスモス」や「中庭の出来事」は、演劇が題材だったし。
この戯曲は、サスペンス調の、台詞による心理劇。いかにも恩田さんらしい展開をします。やはり閉鎖された時空間での物語。会話を重ねることで、それまで見えなかったものが明らかになり、現実がグニャリと歪んでいくような…。この感じは「Q&A」や「ユージニア」を連想しました。ただ、学生時代の同級生の再会…という設定が、どろどろになりすぎない感じをキープしてます。
戯曲と言っても、恩田さんの小説をそのまま読んでいる感じでした。
しかし、こういう不穏なムードのシナリオを、さわやか青春群像得意なキャラメルボックスにやらせちゃうところが、恩田さんの邪悪なとこですね(笑)確信犯だったらしいですが。
公演チラシやパンフの作者の言葉、執筆過程の「猫と針」日記もついてきて、恩田さんが苦しんだ過程や、タイトルの由来もわかっておもしろかったです。
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