SF

2008年7月26日 (土)

空の中

1327「空の中」有川浩    角川文庫    ★★★★

 200X年、立て続けに起こった航空機事故。調査のために事故空域に向かった自衛隊のパイロット光稀と、航空機メーカーの高巳は、信じられないものを見つける。一方、地上では、瞬と幼なじみの佳江が、不思議な生き物を拾っていた。それが、人類が直面する危機の前触れだとも知らずに…。

 堪能しました。エンタテイメントとしてじゅうぶん楽しめたし、読みごたえありました。
 未知の生命体とのコンタクトというのは、SFの王道ですが、それを大人サイド、少年サイドの双方向から描いていって、最後に一点に集中していく構成がよかったです。
 少年サイドは、瞬と佳江のせつないまでの純粋さがよかったし、大人サイドは光稀と高巳のラブラブぶりが楽しかった(有川さん、こういうの好きですね)。
 けっこうな長さがありましたが、苦にならずに読めたのは、ストーリー展開にメリハリがあるのと、キャラがいいからでしょう。
 物語のキーパーソンの宮じいを主人公に、後日譚を描いた「仁淀の神様」には泣かされました。

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2008年5月 4日 (日)

ブルースカイ

1291「ブルースカイ」桜庭一樹   ハヤカワ文庫   ★★★

 1627年、ドイツ。魔女狩りのさなか、10歳のマリーは、<アンチ・キリスト>と出会った。2022年、シンガポール。青年ディッキーは、すでに絶滅した「少女」と出会った。そして、2007年4月、鹿児島。そこで起こったことは・・・。

 三つの物語が、「少女」というキーワードでつながっていきます。SF苦手なので、正直言ってよくわからない部分もありました・・・。

 第一部のマリーの章は、魔女狩りの時代。なんとも不思議で、独特の雰囲気が漂う物語。背筋がゾクゾクするような気味の悪さが妙にリアルで、以前に読んだ「ドゥームズデイ・ブック」を連想しました。

 その世界に突如降ってきた<アンチ・キリスト>・・・「少女」の描写がおもしろかったです。短い言葉でしか会話しない、情緒不安定な存在。わずか10歳のマリーから、「幼い」と見られる「少女」。それが、とても印象的でした。

 第二部は、未来。女性が心身ともにパワフルになり、男性が永遠の子供のようになっている世界。ディッキーが心惹かれる「少女」が降ってきて・・・。

 そして、第三部は、「降ってきた少女」青井ソラ自身の話。桜島の突然の大爆発で死ぬはずだったのに、異世界に飛んでしまった、どこにでもいる普通の少女。このソラの話は、普通の女子高生なのだけど、彼女が「繋がっていたい」と思う気持ちの切実さが、前に二話を補足していて、みごとでした。

 「繋がっていたい」という思いをあらわすアイテムとして、携帯電話が出てくるのですが、それがない時代でも、人と「繋がっていたい」という思いは不変なのですよね。そんなことを、しみじみと感じました。

 しかし、「よくわからない・・・」と思いつつ、読むことをやめられませんでした。桜庭一樹のストーリー・テラーとしての力は、圧巻です。

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2007年7月 4日 (水)

ドゥームズデイ・ブック(上・下)」

1134「ドゥームズデイ・ブック(上・下)」コニー・ウィリス   ハヤカワ文庫   ★★★★★

 タイムトラベルが可能になった時代。21世紀のオックスフォードから14世紀へと時を遡った女子学生キヴリン。中世という時代に危機感を覚える指導教官ダンワージーは最後まで反対していたのだが・・・。
 キヴリンが14世紀へ旅立った直後、トラベルの技術者が倒れてしまう。そして、時を超えたキヴリンもまた、思わぬトラブルに見舞われる。

 遅ればせながら、「コニー・ウィリス」デビューです。本プロでも概ね高評価なので、すごく気になって、文庫を買ったのですが。あまりに厚くて(600ページ弱)、さらに2冊組ということで、なかなか読む勇気がなく、ここまで積読していました。が、一念発起して読み始めました。
 ダンワージーを中心とした21世紀サイドと、キヴリンの14世紀サイドが交互に物語を編んでいきます。ダンワージーは、キヴリンの「降下」にトラブルがあったと感じ、彼女を助けようと奔走。ところが、時ならぬインフルエンザの流行で、とんでもない事態に。
 一方、キヴリンは14世紀に到着すると同時に、発熱して倒れてしまいます。幸い、命はとりとめますが、想像を絶する事態に直面します・・・。
 上巻は正直言って苦痛でした(苦笑)SFという設定に弱いのと、21世紀サイドのスラップスティック風な展開が苦手だったのと、14世紀の中世イングランドの風習がイマイチわからないのと。数日かかって、ちまちま読んでました。
 が、下巻に入って、徐々に物語に引き込まれ、第2部の引きでザワッと鳥肌が!!そして、第3部は、今夜一気に読んでしまいました。
 
 中世の描写のこのリアル感は何なんでしょう。読みながら、「もういい、かんべんして」と言いたくなるほど。決して目を背けようとしないキヴリンの強さに感動しつつ、自分もその場に立ち会っているような思いに駆られ、「神よ!」と叫びたくなりました。何度も。
 タイムトラベルができるほどに科学が発達した近未来でも、やはりインフルエンザでばたばたと人が死んでしまう・・・。そちらはひどく淡々と描かれていて、それがよけいに悲しく感じました。
 そして、ダンワージーとキヴリンを取り巻く人たちが、とても魅力的なのです。ダンワージーをサポートしてくれるメアリやコリン、キヴリンが中世の世界で出会ったアグネスやロズムンド、そしてローシュ。もっともっと多くの登場人物が生き生きと描写され、物語世界を厚くしています。最初はそれをうっとうしく感じたけれど、読み終えた今では、一人一人がいとおしく感じられます。

 何より。最高にすばらしいと思ったのは、結末の一文です。これだけ膨大な物語世界を、あの一文で締めくくるとは!私は完全にノックアウトされてしまいました。
 コニー・ウィリス、すごいです。大森望さんの訳文もとても読みやすくて、すてきでした。

ときわ姫 > まゆさんがこれを読まれるとはちょっと意外でしたが、高評価でとても嬉しいです。一生懸命生きている多くの人の姿に感動しました。 (2007/07/05 15:12)
まゆ > ときわ姫さん、自分でも意外でした(笑)完全に自分の守備範囲外なので、本プロでみなさんの高評価を見ていなかったら、絶対読まなかったと思います。コニー・ウィリス、ほかのも読んでみたいです。 (2007/07/05 19:21)
トントン > まゆさんの感想で私も読んだ時の衝撃を思い出しました。中世の描写本当にリアルでしたね。分厚かったけれど充実した読書でした! (2007/07/07 15:04)
まゆ > トントンさん、読み終えてかなり興奮状態で、書きたいことが書けてない感想です・・・。でも、それほど夢中になって読みました。まさに「充実した読書」でした。 (2007/07/08 16:48)
EKKO > こんばんは。私は図書館で単行本を借りて読んだのですが(持ち運びが重くて大変でした・・!)文庫は確か恩田さんが解説を書いておられるのではなかったですか?私は恩田さんの「ねじの回転」を読んだとき、奇病で多くの人が次々に死んでいくシーンは何となくこの作品を思い出したんです。もしかしたらオマージュかもしれない・・なんて思いました。 (2007/07/08 21:45)
まゆ > EKKOさん、単行本では大変だったでしょう!文庫でもけっこうな重さでしたから。はい、文庫の解説は恩田さんです。ああ、「ねじ」に確かにそういうのありましたね。影響受けてるのかもしれませんね。
次は「航路」を読もうと思っているのですが・・・あれも長いんですかね? (2007/07/08 22:38)

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2007年3月29日 (木)

果しなき旅路

1097「果しなき旅路」ゼナ・ヘンダースン   ハヤカワ文庫   ★★★★★

 渓谷の小さな町にやってきた女教師・ヴァランシー。彼女の周りでは、次々に不思議なことが起こる。それは、その町に住む人々が、超能力をもつ異性人だったからだ。
 《故郷》である星が崩壊し、避難する途中で散り散りになった《同胞(ピープル)》を探す彼ら。そして、意外な事実が・・・。

 ゼナ・ヘンダースンの「ピープル・シリーズ」です。
 恩田陸ファンなら、そして「常野物語」ファンなら、いつかは読まねばと思って買っていた一冊。長らく積読していましたが、ようやく手に取りました。そして思うこと。
「どうしてもっと早くに読まなかったんだろう!」
 SFで、しかも翻訳物という、私の苦手とする二大条件を満たしているので、ずっと二の足を踏んでいたのですが・・・全然、苦になりませんでした。まさに、恩田陸の「常野」の原点はここにあります。

 遠い星から避難する途中での遭難。そして、地球への緊急避難。散り散りになった《同胞》。ある《支族》は迫害された経験から、力を否定する生き方を選択。また、ある者は、己の素性も知らぬまま、力を持て余していた。また、地球人(彼らは《外界人》と呼ぶ)と結ばれた者も。さらに、《外界人》でありながら、《同胞》と似たような力をもつ者も現れ・・・。
 一章ごとに語り手が変わり、それぞれの来し方をたどる物語。「自分が他人とは違う」ことに対するどうしようもない孤独感にあふれた物語は、最後には「それでもあなたは一人じゃない」というあたたかさと幸福感に満ちた地点へ着地します。そのあたたかさは読者にも伝わってきて、うれしさとせつなさで、思わず涙ぐんでしまうこともしばしばでした。
 その感じは、恩田さんの「常野」にもつながっていて、やはりこれが原点なのだと確認できました。「常野物語」が好きな方には、ぜひおすすめの一冊です。

むくぴー > まゆさん、これ読まれたんですね。私の、読みたい本リストに長いことある作品です。今、絶対に読もうと思いました。 (2007/03/29 20:40)
北原杏子 > 私もこれは読まなきゃと思い、買ったのに未読でした。恩田さん制覇ののちに挑戦してみたいです。 (2007/03/30 01:22)
ときわ姫 > 昔ハードSFが好きだったのですが、こういう話も良いなと思って記憶に残っている小説です。全体で一つの物語になっているのも気に入りました。 (2007/03/30 14:26)
まゆ > むくぴーさん、読みました!おすすめ度高いです。ぜひ読んでみてください!! (2007/03/30 18:53)
まゆ > 北原杏子さん、おすすめしますよ~。恩田陸の前でも後でも、じゅうぶん楽しめます! (2007/03/30 18:54)
まゆ > ときわ姫さん、さすがですね。私はSF苦手なので敬遠していたのですが、あたたかさがしみてくるような物語で、とってもよかったです。構成もうまいですよね。 (2007/03/30 18:55)

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2006年3月 7日 (火)

NO.6[ナンバーシックス]#4

952「NO.6[ナンバーシックス]#4」あさのあつこ   講談社   ★★★

 囚われの身になった沙布を救うため、紫苑たちはNO.6の高官から矯正施設の情報を引き出そうとする。「人狩り」を逆手にとって施設に乗り込む計画を立てたその矢先、ネズミに異変が。同時にネズミは紫苑に対して、ある不審を抱く。
 そして、とうとう「人狩り」の日がやってきた。

 4巻まで来ました!しかし、矯正施設にたどり着くのは、この巻のラスト。うう、まだこれからか~。
 今回はネズミと紫苑のラブラブ度(笑)は相変わらずですが、紫苑にはどうやら隠れた「何か」があるらしく・・・ちょっと不穏な気配が漂ってきました。一方、ネズミの様子もおかしい。さて、いったいどうなるんでしょう。
 一方、NO.6の市長も登場。いよいよ核心に迫りつつある予感がします。
 物語世界を覆っている非常に無機質なイメージと、独特の緊迫感が、巻が進んでも持続されているところがすごいです。
 徹底して「少年」を描きつづけるあさのさんですが、この話はSF設定でどうなることやらと思っていました。でも、やっぱりあさのあつこはあさのあつこ。紫苑とネズミがなんとも魅力的です。
 さて、続きはいつ出るのかなあ。楽しみ楽しみ。

すもも > なかなかたどりつかないですね、矯正施設(笑)それでも続きを読んでしまうのは、やはり文章のパワーとキャラの魅力でしょうか。 (2006/03/09 09:59)
まゆ > すももさん、ほんとにたどりつきません~。ようやく入口ですよ(笑)いやはや、どうなることやら。でも、ここまで読んだら、続きが気になりますよね。早く5巻が出ますように。 (2006/03/09 20:42)

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2006年2月17日 (金)

エンド・ゲーム

941「エンド・ゲーム」恩田陸   集英社   ★★★★

 裏返されたら、どうなる?・・・「あれ」とずっと戦いつづけてきた瑛子と、娘の時子。ついに瑛子が倒れた時、最後の「一人」になった時子は、とうとう一族に連絡をとる。その結果、時子は「洗濯屋」火浦と出会った。

 常野物語3作目は、「オセロ・ゲーム」続編です。あれは、「光の帝国」の中でも異質かつ強烈な印象があり、あまり好みじゃないけれど妙に気になる話でした。今回は、母の瑛子が深い眠りについてしまうところから物語がスタートします。
 時子が幼い頃に「裏返され」てしまったらしい父親。その後、一人で戦いつづけた瑛子。そして、とうとう「あれ」が見えるようになってしまった時子。一族内の婚姻はタブーという不文律をやぶったために、常野と距離を置いて暮らす拝島家の物語。
 前作「蒲公英草紙」が、人の心のものすごく純粋な部分・・・きらきらと光り輝くような部分を描いたのに対して、こちらは不安と孤独にさいなまれる、ある意味醜い部分にスポットが当たります。正直、「これが常野物語!?」と思いながら読みました。
 けれど、やはりこういうサイドがあって、「蒲公英草紙」の世界も成り立つのだろうな、と。美しいものだけでは成立する世界などないのだから。
 それでも、いつもながら活字だけで緊張感や恐怖を生み出す筆力はさすがだし、幕切れ近くには小さな救いもあり、未来への不安をはらみつつも、そう悪くない気分で読み終えました。
 ただ、物語世界は理解しきれない部分があります。恩田さんの中では世界観が出来上がっているのでしょうけど。それこそ、何度も「裏返され」た気分です。もう一回読んだら、少しはわかるかなあ。

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2006年2月 6日 (月)

NO.6[ナンバーシックス]#3

936「NO.6[ナンバーシックス]#3」あさのあつこ   講談社   ★★★

 沙布が連れ去られた・・・。紫苑の母・火藍からのメッセージを紫苑に告げるべきか迷うネズミ。彼は、紫苑に気づかれぬよう、「矯正施設」を調べようとする。
 一方、紫苑はイヌカシのもとで犬洗いのバイトを始める。西ブロックで犬に育てられたイヌカシもまた、紫苑のまっすぐな心に触れ、惹かれてゆく。そして、とうとう、紫苑が沙布のことを知ってしまい・・・。

 3巻はいよいよ矯正施設か!?と思ったら、まだなんですね・・・。あさのさんもあとがきで触れていますが、これは作者の親心ですよね。危険な目に遭わせたくないという。気持ちはわかります。
 この巻では、あさのさんの視点が火藍のそれになっていて、紫苑たちを案じる思いが強く感じられます。ただ、物語としては危険なことですね。作者が登場人物を守りすぎると、話は停滞してしまいますから。まあ、4巻は矯正施設編みたいなので、大丈夫かな。
 イヌカシのエピソードが印象的です。彼とネズミとのやりとりで、それぞれが人間らしくなっていくのがわかるところが好きでした。
 それにしても、紫苑、「別れのキス」はどうだろう。思わず、「え、そっち方向に行っちゃうんですか!」とビックリしてしまいました(笑)

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2006年1月19日 (木)

NO.6[ナンバーシックス]#2

926「NO.6[ナンバーシックス]#2」あさのあつこ   講談社   ★★★

 「ネズミ」に助けられた紫苑は、聖都市N0.6の外・西ブロックで暮らし始める。飢え、貧困、暴力・・・とまどいながらも、紫苑はネズミと共にいることを選ぶ。一方、独りで生きてきたネズミは、紫苑を突き放しつつもその存在を大切に思い始めていた。

 第2巻は、西ブロックでの紫苑とネズミの生活。っていうか、この二人、かなりラブラブなんですけど(笑)
 ネズミの冷たさと優しさに振り回されながら、「つかみきれない。だから、つかみたい」と思う紫苑。NO.6育ちの無防備な紫苑に苛立ちながらも、いつのまにか「失いたくない」と思うまでになったネズミ。「紫苑、おれは、あんたなしでも生きていけるだろうか」と自問するネズミの姿は、なんともはや・・・(笑)
 ただ、極限状況の中で、二人が自分にないものをもつ相手に強烈に惹かれていく・・・という設定は、なんら不自然ではありません。本当に「二人の少年」が魅力的に描かれています。
 ストーリーとしては、2巻終盤に大きく動き出したのかなという感じ。まだまだどう展開するのかわかりません。先が楽しみです。

すもも > 2巻はほとんど動きがなく、あれれ??と思う場面も多々あり(笑)、でも3、4巻読み進むうちに、だんだんおもしろくなってきました。 (2006/01/23 10:22)
まゆ > すももさん、私はけっこう楽しみました。二人があんまりラブラブなので(笑)沙布が拉致された終盤から、また物語が動き始めた感じですね。3巻をいつ読もうか、考え中です。 (2006/01/23 20:12)

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2006年1月 6日 (金)

NO.6[ナンバーシックス]#1

920「NO.6[ナンバーシックス]#1」あさのあつこ   講談社   ★★★

「そうだ、叫べ。あきらめるな。まだ十六だぜ。あきらめるのなんか、百年早い」
 
 2013年9月7日。紫苑12歳の誕生日。台風が都市「NO.6」を直撃した日。紫苑は、ネズミと出会った。エリートとして純粋培養されていた紫苑の世界が変容したのは、その瞬間からだった。4年後の再会。そして、物語は始まった。

 冬休みに読む本を同僚にドッサリ貸したら、「これ読んでね。うふ」と渡された「N0.6」#1~4。一気に読んでしまうのはもったいないので、少しずついきます。
 というわけで第1巻。追われる身のネズミと、エリートだったけどネズミをかくまったために地位を失った紫苑。二人の少年の物語(あさのさんが好んで描くところの少年もの!)。だけど、話はまだ序章。だから、ストーリーとしては評価しにくいところです。
 近未来SFという感じで、あまり得意分野じゃないのですが、YAで若い読者を想定しているためか、読みやすかったです。例によって、ネズミと紫苑のかけ合いはテンポがよくて、読んでて気持ちいいし。
 バリバリの反体制派で荒っぽいんだけど、「マクベス」なんか読んじゃってるネズミのキャラはけっこうツボです。そして、おとなしそうに見えて、実はしぶとい紫苑もなかなか。・・・少年好きな(あ、誤解を招く表現だなあ)同僚がニコニコしながら貸してくれたのがわかりました。
 とりあえず、2巻にも期待します。

すもも > まゆさん、あけましておめでとうございます。№6、だんだん読者が増えてきてうれしいです。巻を重ねるごとに、キャラクターも増えておもしろくなりますよ。 (2006/01/07 17:25)
まゆ > すももさん、あけましておめでとうございます。私もとうとうこの世界に入ってしまいました~。少しずつ読んでいきたいと思います。 (2006/01/09 17:15)

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2005年12月27日 (火)

総門谷R 阿黒篇

914「総門谷R 阿黒篇」高橋克彦   講談社   ★★★★

 平安京ができて間もないころ。陸奥では蝦夷との戦いが続いていた。誰もが気づかぬまま、世は阿黒王こと総門と屍魔たちの手に落ちようとしていた。
 その企みを阻止するべく、和気諒と、坂上田村麻呂の配下・久遠縄人、空海の三人が立ち上がった。蝦夷の長・跡呂井と手を結んだ彼らは、阿黒王を追いつめるが・・・。

 先日、「白骨篇」を読みましたが、正直言って忘れてることが多かったので、まず第一話を再読。ああ、そうそう、そうだったねえ~と思いながら。
 まず現代を舞台にした「総門谷」があって、この「R」は、一気に時代を遡って物語がリスタート。今、ようやく中盤まで進んできたところですね。「R」の意味は、最終巻まで読めばわかるらしい(って、いつの話だ~!)
 これ、初読の時にはボロボロ泣いたのですが・・・。どこでそんなに泣けたんだっけ?と思ったら、諒たちが現代に生まれ変わっても、また仲間としてめぐり合い、闘い続けているという絆にめちゃくちゃ感動したのでした。でも、今回はもうわかっているので、泣けませんでした(苦笑)
 ラストは「ええっ!」って茫然としてしまったものですが、こちらは今は続きを知っているので、安心して読み終えました。
 それにしても、聖徳太子とかキリストとか、屍魔として登場させちゃっていいんでしょうか・・・。

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